9月は詐欺の入口!アポ電強盗、ドコモ・ゆうちょ不正出金に便乗、国勢調査を騙る、犯罪三重奏の危険!

(写真:INGRAM PUBLISHING/アフロイメージマート)

今、犯罪三重奏の危険が迫ってきており、厳重な警戒が必要です。

年末に向けて、詐欺被害が増えていきますが、9月はその入口です。

「アポ電強盗」が、多発しています。

これは、家族の状況や貯金の状況を探る電話(アポ電)をかけてきた後に、強盗を行う手口です。

18日、町田市で男性2人が家に押し入り、80代女性を縛り重傷を負わせて、預金通帳などを奪うアポ電強盗が発生しています。

女性宅には、今月初めに偽の警察官から「口座から勝手にお金が引き出されている」という電話がかかってきて、お金の状況を確認されています。

同居する長男が夜に家に戻り、事件が発覚しましたが、おそらく昼間に他の家族がいないといった確認もしていたと思われます。

5日にも同市内で、電気の点検をするフリをして家を訪問した男らが、80代男性を縛り、金銭を要求する事件も起きています。この時は、事件発生直後に、家を訪ねた長女が警察に通報し未遂に終わっていますが、この数か月前にもアポ電話がかかってきています。

アポ電強盗が起きている背景には、やはり新型コロナがあります。

今、Go Toトラベルキャンペーンなどで出かける人たちが増えてきているとはいえ、感染した場合に死亡率が高くなる高齢者はやはり外出を控える傾向にあります。高齢者の在宅率が高まるなかで、詐欺の電話や訪問などの犯罪を受けやすくなっているのです。

また、コロナ不況により仕事を失い、お金を稼ぐ手段を失った人たちがSNSなどで裏バイトに応募して、犯罪組織の指示を受け、強盗や詐欺といった犯罪に走っていることもあります。

17日には、横浜の家に2人組の男に押し入られる強盗未遂事件も発生。この家では以前に2800万円の特殊詐欺の被害を受けていて、まだ貯金があると思われての犯行でしょう。この時は80代の女性を縛るだけでなく、50代の息子に金を渡すように要求しています。

ガスや電気の点検を装って、家に押し入ろうとする手口が増えていますので、充分に注意をしてください。

詐欺に拍車をかけるドコモ・ゆうちょ不正出金事件

こうした事態に拍車をかけてしまっているのが、「ドコモ口座不正出金事件」です。

本人確認の不十分さから、第三者が勝手にドコモ口座を作れる状況となっており、銀行に紐づけされれば、誰もが不正出金の被害に遭う可能性があることから、大きな社会不安が広がりました。

先の強盗の被害を受けた女性に「不正にあなたの口座から金が引き出されている」という電話がかかってきていますが、まさにそうした話に信ぴょう性を与える形になっています。

15日には、ドコモ口座の不正出金に便乗した詐欺事件が発生しています。

「ドコモ口座での不正出金の被害が、あなたの口座にも出ています」という偽の警察官からの電話が、80代女性宅にありました。その話を信じた女性は家にきた人物にキャッシュカードを取られてしまい、28万円ほどが引き出されています。

ドコモが新規に口座を開設できないようにしたのが10日ですから、それからわずか、5日後の犯行で、まさに機を見るに敏です。

警視庁も、「ドコモ口座の不正送金問題の件で、あなたも被害に遭っている」と警察官を装う人物からの電話がかかってきているとして注意しています。

さらに、ゆうちょ銀行からの不正出金被害も加わり、ますます詐欺のアプローチがしやすい状況が作られています。

国勢調査のなりすまし事案が加わって、犯罪の三重奏の様相

9月から国勢調査票の配布がスタートしていますが、すでに調査員を騙り、クレジットカード番号などを聞き出す、不審な訪問も報告されています。

この騙り調査に遭い、家族構成や貯金や銀行口座などの個人情報を聞きだされてしまうと、その後にオレオレ詐欺や、キャッシュカード詐欺、還付金詐欺などの詐欺に遭う可能性が高まります。

国勢調査は5年に一度ですが、前回も調査を装う手口が多数、発生しました。

その時、多かったのが、自動音声ガイダンスによる聞き出し電話です。

女性の声のガイダンスで「60歳以上の方はいらっしゃいますか。いる場合には1、いない時には2のボタンを押してください」「現在、お幾つでしょうか。50歳までの方は9、そうでなければ1を」と、ダイヤルボタンを押すように言ってきました。

この他にも「どちらの銀行に預金がありますか」「預金額は1,000万円を超えていますか」という資産状況を尋ねる質問もあります。

騙されないために知っておきたいことは、「電話で答えを求めるような国勢調査はない」です。

もし電話がかかってきた時は、間違いなく詐欺電話です。すぐに切ってください。

訪問による騙り調査もあります。

5年前には、家を訪ねて「国勢調査が有料になった」とお金を要求したケースもみられます。この調査ではお金は必要ありません。

ただし国勢調査は義務であり、それを拒否、虚偽回答すると、50万円以下の罰金の罰則規定もあります。それをたてに、調査員になりすました人物が回答を迫ることも考えられます。しかし訪問してきて用紙を渡し、その場での回収はないとのことなので、用紙を渡し「すぐ記入してほしい」と言われたら、詐欺を疑ってください。

本物と偽物を見分けるのは、調査員は顔写真が付いた「調査員証」を持っており、青い腕章もつけています。その点も頭に入れておいた方がよいでしょう。5年前には、調査員証には写真が貼り付いておらず、腕章もなかったので、見破った方もいらっしゃいます。

この他、オンライン回答も推奨されていますので、国勢調査を騙ったメールやSMSが送られてきて、偽サイトへ誘導することも考えられます。

国勢調査には、預金額、銀行口座やクレジットカード情報についての項目はありません。

国勢調査を騙った手口では、情報を取られた後が危険ということを知っておいてください。

社会不安が渦巻く状況は、5年前に似ている

今、アポ電強盗多発、ドコモ・ゆうちょ不正出金に便乗、国勢調査を騙る、犯罪三重奏の様相を呈していますが、前回の国勢調査が行われた2015年の状況と酷似してきています。

この年には、日本年金機構の個人情報流出問題があり、自分の年金情報が洩れているのではないか、人々の不安が渦巻きました。そうしたなかに、詐欺の電話がかかってきて、さらに国勢調査を装った”犯罪の予備調査”も行われました。そうした事情もあったのでしょう。

2015年の特殊詐欺被害額は、482億円と過去3番目の高い数字になっています。

現在は様々な詐欺対策が施されているので、単純にその時の状況とは比べられませんが、今年は、新型コロナ不安に、不正出金事件もありいつ自分の身に犯罪が降りかかるかわからない状況になっています。

今年の特殊詐欺の上半期の被害は減ってきているとはいえ、いまだ安心できない状況が続いています。