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避難所向け「多言語表示シート」、栃木県国際交流協会がHPで公開:外国人との情報共有で活用を

巣内尚子研究者、ジャーナリスト
栃木県国際交流協会の「多言語表示シート(避難所用)」、同協会HPから

 大型で非常に強い台風19号により、各地で多数の人が避難所などへの避難を強いられる中、栃木県国際交流協会は10月12日、避難所用の多言語表示シート(避難所用)をホームページで公開しているというアナウンスを出した。

 

 栃木県国際交流協会の避難所用の多言語表示シートは、このURL(http://tia21.or.jp/2405.html)からダウンロードできる。

 栃木県国際交流協会は「避難所開設時に掲示する『多言語表示シート(避難所用)』は、外国人に安心して避難所に入ってもらい、外国人の避難所生活を容易にするための50項目を表記したシート」と説明している。

 多言語表示シートの「各項目は、やさしい日本語、中国語、ポルトガル語、タガログ語、スペイン語、韓国・朝鮮語、英語、タイ語、ベトナム語の9か国語で表記されてい」(栃木県国際交流協会)るという。

 外国人は言葉の問題や社会的ネットワークの脆弱さから、災害時に必要な情報にアクセスすることが難しいケースもある。こうしたツールを活用することで、必要な情報の共有が図れそうだ。

◆災害時用ピクトグラムや多言語避難者登録カードも=自治体国際化協会(クレア)

 自治体国際化協会(クレア)もホームページで、災害時多言語表示シートを公開する。

 こちらの災害時多言語表示シートはウェブサイト上から文例を検索できる。

 同時に、避難所で活用できる災害時用ピクトグラムに加え、多言語避難者登録カードと食材の絵文字(FOODPICT)も公開している。

 

 多言語避難者登録カードは日本語、英語、ロシア語、スペイン語、タガログ語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語、タイ語、ポルトガル語、ミャンマー語の各バージョンがあるという。(了)

研究者、ジャーナリスト

東京学芸大学非常勤講師。インドネシア、フィリピン、ベトナム、日本で記者やフリーライターとして活動。2015年3月~2016年2月、ベトナム社会科学院・家族ジェンダー研究所に客員研究員として滞在し、ベトナムからの国境を超える移住労働を調査。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。ケベック州のラバル大学博士課程に在籍。現在は帰国し日本在住。著書に『奴隷労働―ベトナム人技能実習生の実態』(花伝社、2019年)。

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