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東アジアE1選手権。上がり馬は誰だ。日本代表は最後の最後まで固めない方がいい

杉山茂樹スポーツライター
(写真:岸本勉/PICSPORT)

 東アジアE1選手権、最大の見どころは、大会後にある。9月に欧州で行われるとされる国際試合のメンバーに、ここから何人が食い込めるかという点だ。極端に言えば、多ければ多いほど好ましいい。W杯本大会にプラスに作用すると考える。

 今回のカタールW杯はこれまでとは異なり欧州シーズンの真っ只中に行われる。日本代表が最後に戦うテストマッチは9月で、大会直前に実施されたスパーリングマッチは今回、行われないという。

 W杯アジア最終予選が終了したのは今年3月なので、そこから本大会までの約8ヶ月間空く。この間どれほど変化することができるか。W杯本大会にどれほどフレッシュな選手を送り込めるか。そのままの流れで臨んでしまうと危ないとは、過去の大会で得た教訓だ。

 わかりやすい例は2014年ブラジルW杯に臨んだザックジャパンだ。W杯イヤーに入ってからこなした試合数は4試合で、そのうちの2試合が大会直前に行ったスパーリングマッチだった。残る2試合は国内で行われた親善マッチ。対戦したのはニュージーランドとキプロスという弱小チームだった。チームは前年の11月に欧州遠征を行った段でほぼ固まっていた。そこでベルギーとオランダに競った試合を演じたことで、本番への期待は高まっていた。

 しかし、日本のサッカー界はそのことに結果的に満足してしまった。以降8ヶ月間、チームによい意味での刺激がもたらされることはなかった。ブラジル大会の結果はご承知の通りグループリーグ最下位。半年前に行われていればと悔やんでも、それはあとの祭りだった。

 今回の森保ジャパンは6月にブラジル戦を筆頭に4試合、親善試合を組むことができた。しかしそれでも9月まで3ヶ月間空く。そこで2試合(1試合はアメリカ代表)を戦えば、次はもうドイツ戦だ。9月の2試合が事実上の壮行試合にあたる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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