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19年前のセルタ・デ・ビーゴを想起する清水エスパルス、クラモフスキー→ロティーナの交代劇

杉山茂樹スポーツライター
(写真:松尾/アフロスポーツ)

 昨年の今ごろ、清水エスパルスについて筆者は「今季は面白そうだ」と記している。その前のシーズン(2019年)に優勝した横浜Fマリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の下で参謀役を務めたピーター・クラモフスキーを、新監督に迎えたからである。攻撃的かつ今日的。横浜FMと同種のサッカーが拝めるのではないかとの期待感に後押しされた格好だった。

 ところがクラモフスキーは、シーズン途中にあえなく解任。横浜FMを彷彿とさせる攻撃的サッカーを目指し、実践したものの成績は振るわず終い。シーズン開始直後から、降格圏内を彷徨うことになった。

 成績もさることながら、落胆に輪を掛けたのは、目指したサッカーを途中で断念したことだ。目先の勝利にこだわったのか、任期の後半はJリーグでよく見かける、後ろに人が多い平凡なサッカーに埋没した。シーズン前に言っていたことと、中身に大きな変化があった。ブレが出たわけだ。本来なら、この瞬間こそが監督交代のタイミングになる。

 クラモフスキーを清水が招聘した理由は、首脳陣が横浜FMのサッカーに感化されたからだろう。このスタイルで行こうと方針を決めたのは監督ではなく首脳陣。任期途中でクラモフスキーがスタイルを変更した理由が、監督の意志だったとすれば、首脳陣の狙いとは異なる采配になったわけで、これぞ解任のタイミングになる。

 だが、クラモフスキーはそれ以降も10試合近く監督の座に就き、采配を振った。クラモフスキーの問題ではなく、これは清水というクラブの問題になる。クラモフスキーを解任した後、それまでコーチだった平岡宏章氏が後任の座に就いたが、これは暫定で、今季は別の監督で臨むことになった。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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