リバプールの南野拓実。勇気ある撤退という選択肢

(写真:REX/アフロ)

 パナマ戦(11月13日)とメキシコ戦(11月17日)に臨む日本代表。所属チームが招集を拒んだ堂安律(ビーレフェルト)に代わって、追加招集した奥川雅也(ザルツブルグ)も、所属チーム内に新型コロナ感染者が出たことで、合流を見合わせることになった。

 したがって、今回のメンバーの中に新顔は1人も入らないことになった。奥川にしても追加招集なので、森保監督は最初から新顔を誰も選ぶつもりがなかったことになる。先月行われたカメルーン戦、コートジボワール戦では菅原由勢(AZ)1人。欧州組に限った中から選考しているという現実を踏まえると、少なすぎると言わざるを得ない。余裕がないことの証と言われても仕方がない。

 森保監督はなぜ最初から、奥川を呼ぼうとしなかったのか。彼はれっきとしたチャンピオンズリーガーである。昨季(2019-20)は4試合、今季(2020-21)も開幕戦(対ロコモーティフ戦)と第3戦(対バイエルン戦)に出場している。いずれも交代出場ながら、チャンピオンズリーグ(CL)出場試合数6は、日本人では長谷部誠(フランクフルト)、伊東純也(ヘンク)と並ぶ10位タイの成績だ。

 日本人のチャンピオンズリーガーは、チャンピオンズカップ時代の奥寺康彦さんを含めても、全部で21人しかいない。今季に限っても現時点でわずか4人(奥川の他に南野拓実/リバプール、酒井宏樹/マルセイユ、中島翔哉/ポルト。マルセイユの長友佑都には、今季まだ出場歴がない)だ。欧州組にとってCLは、選手としてのステイタスを高める、憧れの舞台であることは言うまでもない。

 森保監督の目に、奥川のプレーは少々、物足りなく映ってるのかもしれない。だがそれでも奥川は、自らの意志を少々曲げてでも選ばなければならない選手なのだ。CLに計6試合出場している選手には、可能な限り敬意を払う必要がある。祝福を兼ねて選出するぐらいの余裕と言うか計らいが、代表監督には求められている。

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たかがサッカーごときに、なぜ世界の人々は夢中になるのか。ある意味で余計なことに、一生懸命になれるのか。馬鹿になれるのか。たかがとされどのバランスを取りながら、スポーツとしてのサッカーの魅力に、忠実に迫っていくつもりです。世の中であまりいわれていないことを、出来るだけ原稿化していこうと思っています。刺激を求めたい方、現状に満足していない方にとりわけにお勧めです。

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スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、2018年ロシア大会で連続10回現地取材となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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