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CL決勝R・マドリー対ユーベの運命的な巡り合わせ。なぜ時代は、イタリアからスペインに変わったのか

杉山茂樹スポーツライター
97−98CL決勝 R・マドリー1−0ユーベ@アムステルダム・アレーナ(写真:Action Images/アフロ)

6月3日、カーディフで行われるチャンピオンズリーグ(CL)決勝。ユベントスとレアル・マドリーが、決勝で欧州一を懸けて争うのは、97−98シーズン以来2度目だ。

19シーズン前に、アムステルダムのアレーナを舞台に行われた、R・マドリーが1−0でユーベを下した一戦だ。

この時、下馬評で上回ったのはユーベ。3シーズン連続の決勝進出だった。対するR・マドリーは、17年ぶりの決勝進出。ユーベの方が、場慣れしたムードを醸し出していた。置かれた立場は今回とは逆。R・マドリーは、まさしくチャレンジャーだった。

ユーベが準決勝で戦った相手は、この時もモナコだった。これも19シーズン前を想起させる理由のひとつだが、そのユーベをR・マドリーは1−0で下し、65−66シーズン以来、32年ぶりに欧州一の座に就いた。そこから昨季までの19シーズンでCL優勝5回。97−98の決勝戦を機に、R・マドリーは復活を遂げた。

ライバルチームのバルセロナも、その間、同様に4度優勝を飾っている。スペイン勢としてはその他に、バレンシアとアトレティコが各2回、計4度準優勝に輝いている。この試合を機に「スペイン」も蘇った。

一方、97−98シーズン以前はイタリアの時代だった。イタリア勢が決勝進出を逃したシーズンは90−91まで遡る。88−89、89−90もミランが連覇しているので、つまり88−89以降10シーズンで9度、決勝進出を果たしている。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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