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4年前の岡田ジャパンと状況が似てきたザックジャパン。本田圭佑を巡る因果関係について

杉山茂樹スポーツライター

FIFAランキングの信憑性は疑って掛かるべきだが、130位のキプロスが弱小であることは疑いようのない事実。そうしたチームをなぜ、国内最後の一戦に、あえて招待したのか。引き分けや、敗戦が大事件に相当するホーム戦を、壮行試合としたのか。

3月に招待したニュージーランドも、はじめから楽勝が予想される相手だった。昨年11月の欧州遠征以降、7ヶ月間で行った試合はこのわずか2試合。日本サッカー協会に、外交能力が不足しているためにだけではないと思う。絶対に勝てる相手。招待国の選定条件として、これが最優先にあったことは容易に推測できる。

これに対し、ザッケローニは何も不満を述べていない。彼自身がそれを望んでいたと考えていいだろう。ブラジルに向かう途中、アメリカでスパーリングマッチを2試合行うとはいえ、ラスト7か月を強化ではなく、コンディション調整にあてるこの方法論は、従来にはなかったものだ。

あるいはそのやり方が功を奏すかもしれない。だが、思うような結果が残せなかったとき、悔いが残らないのはどちらの方法かとの視点に立てば、ザッケローニの方法論は、いただけないものになる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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