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反時計回りのザックジャパンの中で生きる選手とは

杉山茂樹スポーツライター

正確なデータがあるわけではない。しかし3年と数ヶ月間、スタンドの上階から数十試合、ザックジャパンを眺めてきた結果、イメージとして鮮明に浮かび上がるものがある。ピッチの上に描かれるデザインの傾向だ。

一言でいえば、右回り。フィールドプレイヤー10人それぞれの動きをベクトルで表せば、全体図として、反時計回りに渦を巻くような流れが見て取れる。

本田を除く全員が右利き。そしてその本田は、左ではなく真ん中に位置するうえに、見るからに左利きというボール操作をしない。抜けた力の持ち主ではあるが、反時計回りの流れにインパクトを与えているわけではない。

反時計回りでイメージするのはホッケー。アイスホッケーより、ピッチサイズがサッカーに近いフィールドホッケーの方がよりわかりやすいのだけれど、この競技も右回りだ。人間は9人に1人が右利きと言われる。ピッチ上に左利きがいる割合は平均1人。残るフィールドプレイヤー9人は右利きという計算になる。

そのうえ、彼らはスティックを持っている。10人中9人がそれを右手で操作する。前に進むときには、それを身体の正面より右側において、サッカーで言うところのインサイドのように開き気味にしながら、押し出すように操作する。右利きは、よりデフォルメされる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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