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マンUで苦境に立たされている香川。その原因と脱出方法について。

杉山茂樹スポーツライター

マンU・香川の出場機会がここに来て一段と減っている。いい話ではない。香川自身にとっても、日本代表にとっても。今年最大の誤算と言ってもいいかもしれない。ザックジャパンの一員として機能しているのならともかく、現実はそうではない。10の力が10出た試合、本領を発揮した試合はほとんどない。

ドルトムント時代から続く傾向だ。以前から、活躍度において著しい落差があった。

浮き彫りになるのは、対応能力の低さ。ハマるチームもあれば、ハマらないチームもある。あと何年、マンUでプレイするか知らないが、この次に行くクラブでも、同じ問題がつきまとうことは見えている。

どのクラブでも能力を出し切れるわけではない。香川は移籍先の選択肢が限られた選手と言っていい。下手をすると、最初に行ったドルトムントが、最もはまったクラブだったということになりかねない。

気分よくプレイするエリア及びポジションが限られている。真ん中でのプレイを好むプレイスタイルと大きな関係があるとは、これまでにも何度か述べているが、ではなぜ、真ん中に入りたがるのか。サイドで気分よくプレイできないのか。

日本代表でのポジションは4−2−3−1の3の左だ。そのポジションでボールを受けたとすると、プレイの選択肢の中ではドリブルが、最も大きな位置を占めてくる。ボールを受けたら、スパンスパンと簡単にパスを送るタイプではない。とりあえず自分で局面を打開しようと、ボールを操ろうとする。だとすれば、そこで最も披露したい技術はドリブルになる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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