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ダブル熱帯低気圧が発生中

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ダブル熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

影響は小さい見込み

予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

現在、日本の南に2つの熱帯低気圧が発生しています。

タイトル画像にある雲の様子をみると、左側の沖縄の南にある熱帯低気圧は、おととい10日(日)午前9時に沖縄の南で発生しました。ただその後はほとんど動かずに、現在はかろうじて下層雲が渦を巻いている程度で、活発な雲はほとんどみられません。

今後も発達はせずに衰弱する傾向と計算されており、あす13日(水)午前9時にはまだ天気図上に予想されているものの(①)、あさって14日(木)午前9時までには消滅する予想です。

一方、右側の小笠原近海で、きょう12日(火)正午、低圧部から新たな熱帯低気圧が発生しました。沖縄の南の熱帯低気圧と比べると、真っ白な積乱雲を伴っているのが分かり、海水温も30度近くあるため、今後、発達する可能性があります。

ただ予想天気図をみると、②の熱帯低気圧は、小笠原の東の東経150度線に沿うように北上し、あさって14日(木)午前9時以降は、日本の東へ抜けていくものとみられます。ですから仮に台風の勢力に発達したとしても、今のところ、日本への影響はほとんどないものと思われます。

不安定が続く

雨雲の様子(気象庁発表)
雨雲の様子(気象庁発表)

南からの湿った空気と上空の寒気の影響で、きょう12日(火)も広い範囲で、大気の状態が不安定となっています。特に北日本では活発なライン状の雷雲が通過し、1時間雨量が北海道夕張市沼の沢で63.0ミリに達したのをはじめ、青森県や山形県でも50ミリ前後に達し、9月としては観測史上1位の激しい雨をあちらこちらで観測しました。(1時間雨量

引き続き、あす13日(水)にかけても、不安定な天気が続きますので、熱帯低気圧が近づかなくとも、空模様の変化にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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