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台風12号から変わった熱帯低気圧がUターン、さらに台風13号が発生し関東付近へ北上か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
2つの熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風12号から変わった熱帯低気圧がUターン

熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風12号から変わった熱帯低気圧周辺の暖湿気の影響で、きのう4日(月)は関東北部で雨雲が予想以上に発達し、栃木県では記録的短時間大雨情報が5回も発表されるなど、3時間で200ミリ以上の集中豪雨となった所もありました。

その後、熱帯低気圧は西進し、九州の南海上付近に進んだ後、ほとんど動いていない状況です。このあと熱帯低気圧自体は不明瞭となりつつも、西日本に向かってUターンするように北東方向へ進むため、上図のように活発な雨雲も四国や紀伊半島などへ北上し、その後、東海や関東方面へ広がるおそれがあります。まずこの熱帯低気圧に伴う大雨にはまだまだ警戒が必要です。

台風13号が発生し関東付近へ北上か

熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧の予報円(気象庁発表)

続いて、警戒が必要なのが発生が予想されている新たな台風13号です。沖縄の南で発生し、やや発達しながら日本の南を時速30キロ程度で、足早に北上するでしょう。

ところがあさって7日(木)午後3時に伊豆諸島付近に差し掛かる頃からは速度が低下し、予報円の真ん中を進むと、関東沖を時速15キロ程度で進む予想となっています。ただこのあたりの進路にはかなりブレがあって、計算によっては伊豆諸島付近から東海地方に、むしろ北西進するような計算も見受けられる状態です。

これは西日本に顕在化する上空の渦に巻き込まれるように反時計回りに進むような感じとなるためで、伊豆諸島付近から関東沖へ抜けるのか、あるいは東海や関東寄りに北上してくるのかは、まだ不確実性が大きな状態です。

発生が予想される台風13号の進路や勢力などによっては、東日本で8日(金)頃まで影響が残りますので、最新情報にご注意ください。

台風13号が過ぎるとまた太平洋高気圧が復活か

太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

台風13号があさって7日(木)から8日(金)頃に関東付近を通過する予想ですが、これが過ぎると再び上図のように本州付近で太平洋高気圧が真夏のように勢力を拡大してくる予想です。地上の暑さと関係の深い上空1500メートル付近の気温も18度以上が本州付近をすっぽりと覆い、内陸には20度以上の暖気も予想されるため、晴れれば35度以上の猛暑日となる条件が揃うことになりそうです。

9月中旬なのに猛暑日が復活?

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

10日間予報をみると、台風13号などの影響が強まるあさって7日(木)は広く雨勝ちで、関東甲信の最高気温は28度程度と東京都心でも真夏日は途切れる予想です。

ところが週末以降は再び強まる太平洋高気圧の影響下に入り、晴れ間が出て、大きく昇温するでしょう。前橋、熊谷、甲府などの内陸部では35度以上の猛暑日が予想され、東京都心でも、数日間、34度が予想されています。

東京都心の最も遅い猛暑日の記録は、1942年9月12日35.3度、ついで1995年9月11日35.8度となっていますので、気温の上がり方によっては来週、過去最も遅い猛暑日が出る可能性もある予報となっています。ちなみに気象庁が発表している東京都心の11日(月)と12日(火)の予想最高気温の誤差幅の上限は36度となっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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