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台風7号は紀伊半島付近を直撃か、首都圏が暴風域に入るおそれは小さくなる

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風7号の雲(ウェザーマップ)

台風7号は紀伊半島付近を直撃か

台風7号の予報円(ウェザーマップ)
台風7号の予報円(ウェザーマップ)

最新の予報円(気象庁発表)

台風7号は小笠原近海をゆっくりと北西に進んでいます。きょう12日(土)午前9時現在の勢力は、中心気圧950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルの非常に強い台風となっていますが、これまでよりはやや勢力を落としてきており、この台風の最盛期の状態は過ぎつつあるようです。

今後も徐々に衰弱しながら北西方向へ進む予想で、予報円の真ん中を進むと、15日(火)午前9時には、暴風域を伴って紀伊半島付近へ上陸している予想です。諸外国を含めた種々のモデルでも紀伊半島付近を指向する計算が多くなってきており、予報円の半径も150キロと一気に小さくなってきました。どうやら紀伊半島を指向する可能性がかなり高くなってきたと思われます。

台風7号の暴風域は半径が100キロほどと、比較的コンパクトなため、台風の中心付近が通過する地域では、非常に強い風を伴った大荒れとなりますが、台風の中心が離れて通る地域では、暴風が吹き荒れるおそれは小さいと思われます。

このため、仮に予報円の最も東側を進んだとしても、首都圏が暴風域に入る可能性は小さくなってきました。とはいえ、台風の中心が予報円の中に入る確率は70%ですから、予報円の外側に向かう可能性も否定できず、まだまだ最新の予報円をチェックすることが必要です。

台風の中心付近はコンパクトな大荒れに

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

雨雲の予想をみると、15日(火)午前6時の時点で、紀伊半島に上陸直前の状態となっており、台風本体の活発な渦巻き状の雨雲の影響で、紀伊半島周辺では猛烈な雨が降るおそれがあります。午後3時になると、台風7号の中心付近は崩れるものの、静岡から近畿にかけて、引き続き、大雨となっている予想です。

紀伊半島は800ミリ以上の計算も

72時間予想降水量(ウェザーマップ)
72時間予想降水量(ウェザーマップ)

15日(火)午後3時までの降水量は、台風7号の直撃を受ける紀伊半島の三重県側で局地的に800ミリ以上の所もあり、静岡県でも300ミリ以上に達する所がある計算です。(気象庁の情報

台風7号が予報円の真ん中を進むと、首都圏では災害が起きるほどの雨とはならないと思われますが、湿った空気のぶつかる箱根や丹沢、多摩、秩父などでは100ミリから200ミリ以上の大雨計算もあり、台風7号が抜けるまでは油断できません。

東京は38日連続の真夏日、記録はどこまで続く?

16日間予報(ウェザーマップ)
16日間予報(ウェザーマップ)

ところで、東京都心は、きょう12日(土)も午前8時過ぎには30度を超え、先月6日から38日連続の真夏日となっています。過去の記録は2004年に記録した40日連続ですから、あさって14日(月)には並ぶ予想です。

台風7号に伴う雨が一日中降り続けば、30度に届かない可能性もありますが、今のところ、断続的に雨が降るお盆休みも30度以上が続き、台風7号が抜ける来週後半以降は再び猛暑となる日もあるでしょう。

もしも上図の16日間予報にある通り、28日(月)まで真夏日が続けば、54日連続となり、過去の記録をとんでもなく大幅に更新することになります。(関連記事

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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