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台風5号が太平洋高気圧を強め、東京の真夏日記録を助長する?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

東京は7月6日から真夏日が連続中

東京の日表(気象庁発表に筆者加工あり)
東京の日表(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像にあるように、本州付近で太平洋高気圧が強まっており、きのう22日(土)は関東甲信、東北で梅雨明けの発表がありました。これできのう現在、まだ梅雨明けの発表がないのは九州だけとなっています。(速報値

ただ東京にいると、今更梅雨明けと言われてもと戸惑う声も多くなっていて、それはデータにもしっかりと現われています。東京は7月7日の七夕から降水量は0.0ミリで、晴れている日が圧倒的に多く、体温並みの猛暑を記録した日が何日もあり、30度以上の真夏日に関して言えば、7月6日からきのうまで17日続いている状態です。

では真夏日はどこまで続くのでしょうか?

まだまだ続く真夏日

東京の予想最高気温(ウェザーマップ)
東京の予想最高気温(ウェザーマップ)

ウェザーマップ発表の16日間予報では、今週は35度以上の猛暑日が連続し、来週はピークを過ぎるものの、少なくとも8月8日までは真夏日が続く予報となっています。8月8日まで真夏日が続くと34日連続ということになりますが、ここまで続くと記録的な長さとなってきます。

東京の真夏日の記録

東京の真夏日の記録(天気相談所調べ)
東京の真夏日の記録(天気相談所調べ)

上図は東京の真夏日の続いた記録と日数の記録で、最も長く続いた真夏日は2004年7月6日から8月14日の40日連続となっていて、奇しくも今年と同じ7月6日からの連続記録となっています。まだまだ気の早い話ですが、もしお盆の時期まで真夏日が続くようなら、今年はこの記録に並ぶようなことがあるかもしれません。

そしてそれは太平洋高気圧を強める働きをする台風の発生が鍵を握っているともいえ、南の海上で多く発生すればするほど太平洋高気圧が強まることになり、それだけ真夏日が続く可能性があります。ただ台風が本州付近に近づくようだと、もちろん曇雨天となり真夏日は途切れることにもなります。

台風5号は台湾を指向も、先島諸島は十分な警戒を

台風5号の予報円(ウェザーマップ発表)
台風5号の予報円(ウェザーマップ発表)

最新の台風予報円(気象庁発表)

台風5号はフィリピンの東海上を徐々に発達しながら西寄りに進んでいます。今後は急速に発達しながら北西方向へ進み、26日(水)午前3時には925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力で、石垣島の南へ北上する見込みです。

その後は日本付近で強まる太平洋高気圧にブロックされるように、台湾から中国大陸へ北上する見込みで、石垣島などを直撃する可能性は小さくなりつつありますが、先島諸島では高波、高潮、暴風、大雨に、十分な警戒が必要です。

なお本州付近は太平洋高気圧が強まるため、長期間の猛暑になるとして、気象庁から高温に関する気象情報が発表されています。引き続き、熱中症に十分な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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