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関東内陸では5月半ばにして体温を上回る猛暑のおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
厳しい暑さ(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

暖波到来、そして通過へ

上空1500メートル付近の暖気の予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の暖気の予想(ウェザーマップ)

このあと、大陸から寒波ならぬ暖波が到来し、列島を通過していく見込みです。

上図をみると、きょう16日(火)午後3時には、大陸で育った非常に暖かな空気が朝鮮半島から日本海へ進んでくる予想で、その中心は上空1500メートル付近で18度から21度以上と予想されています。この非常に暖かな空気があす17日(水)には、列島へ流れ込み、あさって18日(木)にかけて、東日本を中心に通過していく見込みです。

上空1500メートル付近で18度以上の暖気は平年より10度前後も高く、まさに真夏、盛夏期に匹敵し、晴れれば地上付近で30度以上の真夏日が続出するのはもちろん、海風の届きにくい内陸では35度以上まで上がるようなポテンシャルを秘めています。この暖気の中心が通過する東日本の内陸では、特に厳しい暑さが予想されます。

関東の内陸部で猛暑日に

17日(水)午後2時の気温予想(ウェザーマップ)
17日(水)午後2時の気温予想(ウェザーマップ)

上図はコンピュータ(MSM)によるあす17日(水)午後2時の気温予想で、関東の平野部は30度以上の真夏日を示す赤色で埋め尽くされており、特に海風の届きにくい埼玉と群馬の県境付近では35度以上の猛暑日を示す紫色が出現しています。

伊勢崎の最高気温は37.9度の計算も

気象庁、MSMガイダンス、GSMガイダンスの5月17日の予想最高気温(ウェザーマップ)
気象庁、MSMガイダンス、GSMガイダンスの5月17日の予想最高気温(ウェザーマップ)

上図はあす17日(水)の気象庁、MSM、GSMによる予想最高気温を示したもので、気象庁の予想で最も高いのは、前橋の35度で、次いで熊谷、秩父、岐阜、豊岡の34度となっています。

一方、全アメダスを含む計算をしているMSM予想では、伊勢崎37.9度、上里見37.6度など、体温を大きく上回るような最高気温が計算されており、GSM予想でも、伊勢崎や桐生で36.7度が計算されています。

伊勢崎は過去、5月に3回35度以上の猛暑日を記録していますが、いずれも5月下旬になってからで、5月中旬の猛暑日は初めてとなり、36度以上まで上がれば、5月の観測史上1位の暑さとなります。この他も5月としては、記録的な暑さや早い真夏日、猛暑日などがかなり多く出現する可能性があります。

東京都心も、あす17日(水)、あさって18日(木)と2日連続で真夏日となる可能性があり、5月の真夏日は特に珍しくありませんが、5月中旬までに出現すれば、2004年5月11日30.2度以来19年ぶりで、2日連続で真夏日となれば、5月中旬までとしては初めてのこととなります。

真夏とは違い、湿度は低く、からっとした暑さではありますが、日差しの強烈な炎天下を中心に、熱中症には十分な注意、警戒が必要です。

参考:気象庁の数値モデルの種類

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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