ダブル高気圧とダブル台風由来の超暖湿流に十分警戒
ダブル高気圧はピークに
タイトル画像にある通り、東日本や西日本はほとんど雲のない晴天域に入っていますが、これがピークを迎えつつあるダブル高気圧の晴天域です。
ダブル高気圧とは、典型的な猛暑をもたらす形で、上空6000メートル付近には南海上から太平洋高気圧が張り出し、さらに上空10000メートル付近には大陸からチベット高気圧が張り出し、これらが重なるようにして列島を覆っている状態で、こうなると下降気流が卓越し、晴れて一段と昇温することになります。
さらに局地的なフェーン現象などが起これば、さらに暑さが上乗せされて、記録的な高温となることがよくあります。
きょう2日(火)もコンピュータの計算では、熊谷で41度から42度まで上がる予想となり、気象庁からも日本の歴代記録に匹敵するような41度の予想最高気温が出されましたが、結果は38.9度止まりでした。午後から上層に薄雲が広がったことなどが気温の上昇を妨げたのかもしれません。
とはいえ、きょう2日(火)も危険な暑さが続いており、最高気温は甲府と越谷(埼玉)で39.5度、川根本町(静岡)で39.0度などを観測し、東京都心も35.9度で3日連続の猛暑日となりました。
このダブル高気圧は、あすに3日(水)にかけてピークの状態が続きますので、関東甲信の内陸や静岡県などを中心に39度から40度くらいの最高気温が予想されています。引き続き、熱中症に厳重な警戒が必要です。
1か月前のダブル高気圧は今にも増して強かった
ちなみに約1か月前にダブル高気圧が強まった時には、40度以上を延べ8回も観測し、特に7月1日は、桐生(群馬)40.4度、伊勢崎(群馬)40.3度、勝沼(山梨)40.2度など、6地点で40度以上となりました。
約1か月前の本州付近の海水温は今より3度前後低く、それにもかかわらず40度以上が続出したのは、今にも増してダブル高気圧の勢力が季節外れに顕著に強かったことを物語っている格好です。
ダブル台風は消滅したが超暖湿流は消えない
猛暑の一方で、大雨にも気の抜けない状態が続きます。
上図は台風5号と台風6号の進路図で、台風5号はきのう1日(月)午前3時に朝鮮半島の西海上で、台風6号はきのう1日(月)午後9時に朝鮮半島付近で、ともに熱帯低気圧に変わりました。
しかしダブル台風は消滅しても、ダブル台風が持ち込んできた危険度の高い超暖湿流はそう簡単になくなるわけではなく、これから日本列島目指して進んでくることとなりそうです。
ダブル台風由来の超暖湿流が東北に
ダブル台風由来の超暖湿流(350K以上)は今後日本海に入り、あす3日(水)午前9時には東北の日本海側に近づいてくるでしょう。そして3日(水)日中から夜にかけて東北地方に流れ込み、北陸地方へ南下していく見込みです。
この350K以上という超暖湿流は、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨をもたらすのはもちろん、上昇気流が強まるなど気象条件が悪化すれば、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨をもたらしかねない危険度のかなり高いものです。
さらに超暖湿流に沿うように東西にのびるような線状の降水帯が発生すれば、さらに危険度の高い降り方をする可能性も十分に考えられます。
今回最も危険度が高くなるおそれがあるのが、青森県から新潟県にかけてで、あす3日(水)の明け方から日中にかけての雨の降り方に十分な警戒が必要です。
気象庁から出されている東北地方の予想雨量は、あす3日(水)夕方までに多い所で150ミリですが、これが数時間で降ったり、さらに雨量が増えるおそれもありますので、早めの避難行動を心がけて下さい。