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日本が猛暑の一方で、次々と台風が発生する可能性も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ資料より筆者作成)

ダブル高気圧は今週後半にかけて強まる

ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ資料より筆者作成)
ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ資料より筆者作成)

6月としては記録的な暑さが続いていますが、この状況は今週後半にかけて、ピークとなりそうです。

タイトル画像の雲の様子をみると、中国大陸南部から沖縄、日本の南の海上にかけて晴天域が広がっています。主にこの晴天域の西側はチベット高気圧と呼ばれる背の高い、高さ10000万メートル付近で顕著となる高気圧で形成され、晴天域の東側は太平洋高気圧と呼ばれる高さ6000メートル付近で顕著となる高気圧で形成されています。

このダブル高気圧が手を結ぶように強まった所では高気圧が2重に強まるため、より暑い晴天に見舞われることが多くなり、日本付近で夏季に記録的な猛暑が続くような場合は、大抵このパターンが形成されている時となります。

今はまだ沖縄付近で手を結んでいる状態ですが、上図にある通り、今週後半、7月1日(金)頃には本州付近でダブル高気圧が手を結ぶような状態となるため、あまりにも早くやってきた今回の晴天猛暑がピークとなりそうです。

一方、このダブル高気圧が日本付近で形成される時は、多くの場合、日本の南海上のフィリピン付近の対流活動が活発になるという関係があります。これは対流活動により上昇した空気が日本付近で下降するため、よりダブル高気圧を強める関係にあるからです。

そして今回も然りで、タイトル画像にある通り、フィリピンの周辺から東海上では積乱雲があちらこちらに湧きたっており、久しぶりに対流活動が活発となってきました。

このうちフィリピン付近にある雲域付近では、きょう27日(月)午前3時に低圧部が解析されました。低圧部とは周囲より気圧が低く、循環はあるものの、中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)で、中心がハッキリと推定されるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。

種々の計算によると、今ある低圧部は今後南シナ海へ進み、熱帯低気圧から台風へ変わる可能性も示唆されています。

さらに上図7月1日(金)のダブル高気圧の予想図では、台湾付近でぽっかりと穴が開いているようになっており、フィリピンの東海上から新たに北上してくる積乱雲域が新たな熱帯擾乱に発達することを示唆する資料も散見されます。

熱帯擾乱が沖縄付近に北上も?

GEPS計算によるアンサンブルメンバーの一部抜粋(ウェザーマップ発表を筆者が作成)
GEPS計算によるアンサンブルメンバーの一部抜粋(ウェザーマップ発表を筆者が作成)

日本の広範囲を計算するアンサンブル予報によると、まだごく一部ではありますが、今ある低圧部とは別の熱帯擾乱が週末にかけて、沖縄付近に北上してくる予想です。

このあたりの予想は諸外国の計算をみてもかなりバラバラで統一性がなく、予想が困難な状況なのですが、なかには沖縄付近で勢力を落としたダブル高気圧のすきをついて、来週早々にかけて、日本付近に熱帯擾乱を進める計算もごく一部ですが、出ている状態です。

そして、仮にそのような状況となった場合、心配されるのが海水温の高さです。

すでに沖縄近海まで30度以上

海水温の状況(気象庁発表)
海水温の状況(気象庁発表)

気象庁が発表している海水温の状況をみると、すでに2か月以上も新たな台風が発生していないことや早めに太平洋高気圧が強まり、海面を強い日差しが照らしている影響もあってか、日本の南海上の海水温は平年より高め(左図赤い部分)で、沖縄近海まで30度以上の海域(右図)が広がっている状態です。

もし熱帯擾乱が北上し、北緯20度を越えてくれば、勢力を一気に強める可能性も否定できない状態となっていますので、日本付近の猛暑はもちろん警戒ですが、今後はフィリピン周辺での対流活動からも目が離せない状況となるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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