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熱帯低気圧は本州の南まで北上中、周辺の際立った暖湿流に要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

熱帯低気圧は本州の南まで北上中

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

きのう24日(日)午前6時、日本の南に発生した熱帯低気圧は、その後、小笠原諸島の西の東経140度線に沿って北上し、きょう25日(月)午前6時には北緯30度線を越え、本州の南海上に進んできています。

タイトル画像をみると、雲の渦巻きは明瞭に確認できますが、活発な背の高い積乱雲はこの渦の南に取り残されている状態で、どうやら熱帯低気圧としてのこれ以上の発達はなさそうな感じとなっています。

今後の予想は、不確実ながらも、ゆっくりと西寄りに進み、あす26日(火)夜までにはこの渦自体も不明瞭化し、熱帯低気圧としては姿を消すかもしれません。

ところが厄介なのが熱帯低気圧は消滅したとしても、伴って北上してきたかなりの暖湿流の存在で、今後本州付近に到達する予想となっています。

今後不明瞭化予想も、暖湿流に要注意

熱帯低気圧、雨雲、暖湿流の予想(ウェザーマップ)
熱帯低気圧、雨雲、暖湿流の予想(ウェザーマップ)

今後の雨雲と暖湿流の予想をみると、あす26日(火)にかけて、熱帯低気圧は紀伊半島の南付近まで西進し、この北側に連なる雨雲が関東や東海に流れ込んでくる予想です。

雨雲自体はあまり活発には見えませんが、侮ることは出来ません。この雨雲に合致するように熱帯低気圧北側の際立った暖湿流が流れ込む予想で、雷を伴った激しい雨をもたらすポテンシャルは十分にあります。

特に気温が上がり、上昇流の強まる山沿い方面では、活発な雨雲が急に発生、発達しやすくなりますので、山や川へのキャンプなどは、小さな川や沢の増水に十分な注意が必要です。また登山などは雷にも十分ご注意下さい。

28日(木)頃までは不安定続く

気象庁発表週間予報をウェザーマップが作成
気象庁発表週間予報をウェザーマップが作成

熱帯低気圧が持ち込んだ暖湿流や上空の寒気などの影響により、28日(木)頃まで、関東以西では断続的に雨の降りやすい不安定な天気が続くでしょう。

晴れ間があっても、急に雨雲が発達するような環境場が続きますので、気象庁の気象レーダーで雨雲をこまめにチェックし、防災気象情報警報や注意報の発表などにもご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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