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40度超でも熱中症警戒アラートが発表されないわけ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
関東各地で猛暑日(写真:つのだよしお/アフロ)

6月25日(土)の記録的暑さ

6月25日の最高気温(気象庁HPより抜粋、筆者加工あり)
6月25日の最高気温(気象庁HPより抜粋、筆者加工あり)

気象庁からきょう27日(月)午前11時、関東甲信東海九州南部の梅雨明けが発表されました。速報値ながら、関東甲信は4年前2018年6月29日を更新し、統計史上最も早い梅雨明け、東海と九州南部は統計史上2番目に早い梅雨明けとなります。(関連記事

関東甲信は、上図にある通り、きょうの梅雨明け発表に先駆け、すでにおととい25日(土)には夏空と猛暑が始まっており、6月の観測史上1位の暑さが続出し、特に群馬県伊勢崎では6月の日本歴代1位となる40.2度の記録的猛暑が観測されたわけですが、実はこの群馬県には、熱中症に対して最大級の警戒をうながす熱中症警戒アラートは発表されていませんでした。

熱中症警戒アラートは、湿度に重点を置いた暑さ指数(WBGT)をもとに発表されており、いくら40度以上の記録的な大猛暑になっても、湿度が下がれば、基準に到達しないことがあるのです。

6月25日(土)の暑さ指数(WBGT)

6月25日(土)の暑さ指数の実測値(環境省の情報をウェザーマップが加工)
6月25日(土)の暑さ指数の実測値(環境省の情報をウェザーマップが加工)

暑さ指数の基準は、33以上で極めて危険となり、これは熱中症警戒アラートが発表される基準で、31~33で危険、28~31で厳重警戒、25~28で警戒、21~25で注意、21未満でほぼ安全となっています。

上図は記録的な大猛暑となったおととい25日(土)の暑さ指数の実測値で、最高気温の高い方から(暑さ指数)との関係をみてみると、以下の通りです。

1位 伊勢崎40.2度(31.4)

2位 桐生39.8度(31.5)

3位 佐野39.7度(33.4)

4位 前橋39.5度(31.2)

5位 館林39.4度(33.2)

6位 鳩山39.2度(32.6)

7位 古河38.7度(32.8)

8位 上里見38.6度(32.3)

9位 熊谷38.4度(31.9)

10位 青梅38.3度(32.1)

10位 大子38.3度(34.0)

40.2度を観測した伊勢崎では暑さ指数が31.4となっており、危険のランクではありますが、33以上の熱中症警戒アラートの基準には達していません。一方、気温では10位だった茨城県大子では、38.3度ながら暑さ指数は34.0と最も高く、熱中症の危険度は一番高い判定となっています。

これは伊勢崎の湿度が30%程度と計算された一方、大子の湿度が55%程度と計算されたためだと思われます。

極論ではありますが、40度で湿度30%よりも、30度で湿度90%の方が暑さ指数は高く計算されることになり、計算上は40度よりも30度の方が熱中症の危険度が高くなるというのはちょっと驚きではないでしょうか?

熱中症警戒アラートが発表されていなくとも最大級の警戒を

熱中症警戒アラートの発表地域と暑さ指数の実測値(環境省の情報をウェザーマップが加工)
熱中症警戒アラートの発表地域と暑さ指数の実測値(環境省の情報をウェザーマップが加工)

きょう27日(月)の朝予報で、全国に出された熱中症警戒アラートは、沖縄県、鹿児島県(奄美)、そして千葉県のみとなっています。

千葉県で出されたのは、海沿いの鴨川で暑さ指数が33と予想されたためで、海沿いは湿気が多いために、暑さ指数が高く予想される傾向があります。

このように熱中症警戒アラート発表のもととなる暑さ指数は、湿度との関係がかなり大きく、体温以上に気温が上がっても、湿度が下がれば、基準に到達しないことも多々ある状態です。(現在の気温

たしかに湿度が高ければ、熱中症の危険度が高くなるのは周知の事実なのですが、今の時期の体温超えの猛暑は身体がまだ猛暑に慣れていないことに加え、夏至直後で、真夏以上に太陽高度が高く、炎天下での行動は非常に危険を伴うため、熱中症警戒アラートが出ていなくとも、熱中症に対しては最大級の警戒が必要ととらえた方がいいかと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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