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北海道の極寒地も73日ぶりに真冬日が解消へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
霧氷のついた木々(写真:イメージマート)

昨年12月16日から真冬日が続く

北海道朱鞠内の日ごとの気温(気象庁発表を筆者が加工)
北海道朱鞠内の日ごとの気温(気象庁発表を筆者が加工)

上図は北海道・朱鞠内(しゅまりない)の日ごとの気温を示したものです。

最高気温に注目すると、昨年12月16日から一度もプラスの気温になっておらず、きのう2月24日まで、実に71日連続で真冬日が続いている状態です。(真冬日とは1日の最高気温が0度未満の日)

朱鞠内は北海道北部の標高255メートルの所に観測ポイントがあるため、北海道の中でも有数の極寒地として知られており、数十日連続で真冬日が続くことは特に珍しいことではありません。ところが70日以上連続となれば、過去に数えるくらいしかありません。

筆者が記録を調べると、以下の通りです。(1979年以降)

1位79日連続(1984年12月23日~1985年3月10日)

2位72日連続(1981年12月30日~1982年3月11日)

3位71日連続(2006年12月06日~2007年2月14日)

4位65日連続(1985年12月13日~1986年2月15日)

5位60日連続(2011年12月16日~2012年2月13日)

60日以上続いた連続真冬日は上記の5回で、いずれも12月から始まり、年をまたいで、2月あるいは3月まで続くという特徴があります。

今年もまさに同様の状況となっており、きょう2月25日で72日連続となる可能性が高く、過去2位の記録に並ぶこととなるでしょう。

ところが長く続いた真冬日にも、ようやく終止符が打たれる時がやってきました。

下層寒気は一気に退散へ

下層寒気の予想(ウェザーマップ)
下層寒気の予想(ウェザーマップ)

地上の気温と密接な関係のある上空1500メートル付近の寒気の予想をみると、きょう25日(金)は、まだ北海道付近が-12度以下のかなり強い寒気に覆われており、これは標高255メートルある朱鞠内で、0度以上に上がるのは厳しい条件です。

ところがあす26日(土)になると、寒気は一気に北上し、-12度以下はもちろん、-9度以下の寒気も北海道からは退く見込みです。一転して上空の気温は平年より5度前後も高い状態となるため、ようやく朱鞠内でもプラスの気温に転じる可能性がかなり高いといえそうです。

73日ぶりに真冬日が解消へ

朱鞠内のポイント予報(ウェザーマップ)
朱鞠内のポイント予報(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表している朱鞠内のポイント予報では、きょう25日(金)も0度未満の状態が続き、72日連続の真冬日が予想されています。

ところがあす26日(土)は、昼前に今年初めてプラスの気温に転じ、73日ぶりに真冬日は解消する見通しで、長かった厳寒、極寒のトンネルをようやく脱することになりそうです。

真冬日からプラスの気温が優勢に

朱鞠内の最高気温の予想(ウェザーマップ)
朱鞠内の最高気温の予想(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表している16日間予報で朱鞠内の最高気温に注目すると、あす26日(土)は4度まで上がる予想で、これは朱鞠内にとってはひと月先、3月終わり頃の気温に相当します。

その後はまた寒さが戻りますが、もう真冬日がずっと続くようなことはなく、次第にプラスの気温が優勢の状態となりそうです。

ただ多雪地帯で気温が上がれば、よりいっそうなだれや屋根からの落雪などの危険が増すことになりますので、その点は、十分な注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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