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関東で厳しい寒さも、週末までは高温傾向が顕著

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

きょうは関東で寒い

午後2時の気温の様子(ウェザーマップ)
午後2時の気温の様子(ウェザーマップ)

タイトル画像にもある通り、きょう8日(水)は伊豆諸島付近で低気圧が発生し、発達しながら東寄りに進んでいる影響で、関東周辺はべったりと厚い雨雲に覆われ、北風も強めに吹いているため、かなり寒い一日となっています。

きょうの東京都心の最高気温は日付が変わった0時47分に記録した10.6度で、このまま日中にかけて、ほとんど10度前後で推移しました。

予想された10度未満よりは若干高かったものの、それでも雨が降って北風が強めに吹きましたので、体感的には真冬のような寒さだったかもしれません。

ところで、関東周辺はとても寒かったのですが、全国的にそうなのかというとそういうわけでもありません。むしろ北日本や西日本では平年よりも高めの所が多くなりました。

上空は暖かい

上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

上図は、上空1500メートル付近の気温の予想で、青い所は平年より低く、赤い所は平年より高い所を表しています。

きょう8日(水)は関東地方で気温が上がらず、日中も10度前後で、真冬並みの寒さの所も多くなりましたが、実は上空1500メートル付近の気温は平年より低いわけではなく、雨雲がかかったために気温が上がらなかったということが言える状況なのです。

また上空の気温は、むしろ北日本を中心に赤色で平年より高く、これから数日間は北海道を中心にかなり高くなる予想です。

例えば、札幌の上空1500メートル付近の気温は、あす9日(木)午前9時が-0.3度、あさって10日(金)午前9時が1.3度の予想で、今の平年値は-10度くらいですから、実に平年より10度前後も高く、10月下旬並みの暖気に覆われることになります。

東日本や西日本も、北日本ほどではないものの、平年より暖かな空気に覆われますので、このあと数日間、週末にかけて、師走らしからぬ暖かさという所も出てきそうです。

週末にかけてポカポカな所多い

全国の予想最高気温と平年差(ウェザーマップ)
全国の予想最高気温と平年差(ウェザーマップ)

上図は、週末にかけての予想最高気温と平年差(季節感)を表したものです。

東京都心や仙台では、冷たい北東風の影響などもあり、あさって10日(金)にかけて師走らしい空気の冷たさが続きそうですが、全国的には、週末にかけて、平年より3度から5度くらい、高い状態が続くでしょう。

東海から西では連日15度以上まで上がり、高知や鹿児島などは20度前後まで上がる日もありそうです。

また札幌の最高気温は、おととい6日(月)8.2度、きのう7日(火)9.0度、きょう8日(水)6.2度と3日連続で5度以上となっており、このまま12日(日)にかけて、1週間連続で5度以上となる予想です。師走に1週間連続で5度以上となれば、2015年の9日連続(12月8日~16日まで)以来、6年ぶりとなります。

東京都心も週末は気温が上がり、11日(土)は15度、12日(日)は17度まで上がり、ポカポカ日和となりそうです。

週明けは真冬の寒気が南下へ

上空1500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)

ところが週明けは一転し、強い寒気が南下するでしょう。

特に北日本には強い寒気が南下し、上空1500メートル付近の気温は、今週末までと比べて、北海道では15度以上も急降下する所がありそうです。

東日本や西日本にも、降れば平地でも雪となるような真冬の寒気が南下しますので、晴れても10度を少し超えるくらいとなるでしょう。

週末から週明けにかけての気温の変化、季節の変化に十分ご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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