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急激に発達する台風14号 スーパー台風へ発達する可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風13号と14号の雲、8日(水)午前10時、ウェザーマップ

急速強化の発達の仕方

台風14号の予報円(ウェザーマップ)
台風14号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁)

台風14号が予想以上の急発達をしています。

タイトル画像を見ても分かる通り、台風14号の中心付近には針でつついたような鋭い眼がポツンと見えており、きょう8日(水)午前9時現在、中心気圧945hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速65メートルの非常に強い勢力となっています。

台風14号が発生した当初、きのう7日(火)午前9時の時点では、きょう8日(水)午前9時の中心気圧の予想が992hPaでしたから、予想をはるかに上回る急発達を遂げたことになります。

台風14号は24時間に55hPa気圧が下がっていますが、これは急速強化と呼ばれる発達の仕方であり、なかでも12時間で最大45hPaも下がっていますが、これは過去30年間で、今回の台風14号を含めてわずかに5個しかなく、それだけ短い時間に急速に発達したことになります。

今回の台風が比較的コンパクトなサイズのため、発達しやすかったことも挙げられますが、やはり最大の要因は30度以上ある海水温の高さが影響したと思われます。

さて台風14号は今後も発達しながら北西方向へ進み、予報円の真ん中を通ると、中心気圧935hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの最盛期の状態で、11日(土)から12日(日)にかけて、台湾付近へ進む予想です。

ただ台湾付近から北寄りに転向してくる可能性もありますし、また予報円の東側を進むと、石垣島など、先島諸島にかなり接近するおそれもありますので、今後も最新の台風情報に注意をして下さい。

スーパー台風に発達する予想も

JTWCの予想に筆者加工あり
JTWCの予想に筆者加工あり

参考までにJTWC(米軍合同警報センター)の発表では、きょう8日(水)午前9時の時点で、最大風速約60メートル(1分間平均)、最大瞬間風速約75メートルと解析されており、日本の発表よりも勢力が強くなっています。

さらにあす9日(木)にかけて、最大風速約70メートル(1分間平均)、最大瞬間風速約85メートルのスーパー台風へ発達する予想です。

スーパー台風とは、JTWCが台風の強さを分類する上での最も強い区分となり、1分間平均の最大風速が130ノット(約67メートル)以上の強力な台風のことを指します。

日本の気象庁では10分間平均の最大風速で台風の強さを分類しているため、日本の分類に換算すると、スーパー台風は最大風速54メートル以上の猛烈な台風に相当し、この猛烈な台風の中でも強い方の勢力ということが出来ます。

JTWCの予想では、フィリピンと台湾の間を通る頃までは、ほぼこのスーパー台風の勢力を維持し、その後勢力を弱めながら中国大陸へ上陸する予想です。

参考:国立情報学研究所(デジタル台風)、JTWC(米軍合同台風警報センター)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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