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”台風のたまごのたまご”は消滅、しばらく台風1号の発生はない見込み?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

低圧部は一週間で消滅

低圧部の推移、すべて午前9時の実況天気図(気象庁発表資料に加工)
低圧部の推移、すべて午前9時の実況天気図(気象庁発表資料に加工)

先週28日(火)、日本のはるか南の海上で、台風のたまごのたまごと呼ぶような低圧部が発生しました(天気図上のLマーク)。

その後、台風1号に発達する可能性もあったため、この低圧部の動向に注目していましたが、ほぼ一週間かけて、ゆっくりと西寄りに進んだ後、きのう3日(日)午前9時、フィリピン付近に達し、天気図上からは姿を消しました。

つまりほとんど発達することなく、低圧部で進み、消滅した形となります。

きょうの雲の様子をみると、たしかにフィリピン付近には目立った雲は見られなくなりました。一方、フィリピンのはるか東、赤道のすぐ北辺りには少し目立った雲域が見られますが、様々な計算結果を見ると、すぐに渦を巻くような計算はほとんどなく、台風1号の発生はまだしばらく先になるのではないかと思われます。

ただ台風1号の発生が遅れても、油断禁物です。

週末は台風並みの暖湿流が流入

暖湿流の予想(ウェザーマップ)
暖湿流の予想(ウェザーマップ)

週末は日本海を進むであろう低気圧や前線に向かい、南からの暖湿流が勢いよく日本付近に流れ込む予想です。

上図の暖湿流は暖かな空気と水蒸気を合わせたような指標で、345K以上は、梅雨前線や台風に匹敵するような暖湿流と言えます。

この暖湿流に雨雲を発達させるような上昇気流が伴えば、局地的に猛烈な雨となることが多々あります。

週末は大雨に警戒か?

雨の予想(ウェザーマップ)
雨の予想(ウェザーマップ)

週末の雨の予想では、日本付近に沿うように雨雲が通過する予想で、雨雲の発達具合では、この予想を大幅に上回るような雨量も想定内だと言えるでしょう。

緊急事態宣言の延長で、今週末も外出自粛が続くわけですが、大雨の季節はひたひたと近付いています。

自然災害の危険度が高まった場合には、外出の自粛が呼びかけられている地域であっても、迅速に避難をするというのが基本的な考えだと思われます。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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