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”台風のたまごのたまご”が発生、台風1号への発達の可能性は?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
日本のはるか南で低圧部が発生(ウェザーマップ)

台風の”たまごのたまご”、低圧部が発生

実況天気図(気象庁より)
実況天気図(気象庁より)

きょう28日(火)午前9時、日本のはるか南の海上、赤道のすぐ近くで低圧部が発生しました。

低圧部というのは、周囲より気圧が低いものの、まだ循環が弱くて、その中心が特定できないところという意味で、この低圧部がもう少し発達し、循環が明瞭(中心が特定できる)になれば、いわゆる台風のたまごと呼ばれる熱帯低気圧に名前が変わります。

ですから、この低圧部は熱帯低気圧のたまごという形になりますので、いわば”台風のたまごのたまご”とも言うべきものかもしれません。

低圧部は発生してもそのまま衰弱して消滅してしまうことも多々ありますが、台風の最も初期の段階とも言うべき擾乱(じょうらん)です。

今年はまだ台風1号が発生していませんが、果たして、この低圧部は台風へ発達するのでしょうか?

海水温は30℃前後とかなり高い

4月27日現在の海水温(気象庁)
4月27日現在の海水温(気象庁)

低圧部が発生した地域の海水温は平年より高めで、30℃前後もあります。

この海水温ならば、今後発達する可能性が十分に考えられますが、赤道の近くというのは雲を回転させる力が弱く、その他様々な要素が絡むので、単純に海水温が高いイコール台風へ発達するとも言い切れません。

今のところ、気象庁から発表されているあさって30日(木)までの予想天気図では、あまり発達の兆候は見られない予想となっています。

ただなかには、台風の勢力に発達し、北上してくるような計算も、ごく少数派ではありますが、存在します。

ごく少数派だが、台風1号が発生し、北上計算も?

アンサンブル予報の一部(ウェザーマップ)
アンサンブル予報の一部(ウェザーマップ)

気象庁は天気予報に使う数々の数値予報を計算していますが(アンサンブル予報)、その中にごく少数派ではありますが、現在の低圧部あたりで擾乱(じょうらん)がまとまり、来週にかけて台風と思われる姿でフィリピンの東から沖縄の南へ北上してくるメンバーがあります。

あくまでもこれは気象庁の公式見解ではなく、アンサンブル予報のごく一部の計算ですが、今後、このような計算が増えてくれば、気象庁もこの予想を採用する方向に向かうかもしれません。

とは言っても、アンサンブル予報の大多数が今のところ台風までの発達を予想していませんので、今年の台風1号の発生はまだまだ後ろにずれるかもしれません。

台風1号の発生は、平均すれば3月頃で、5月以降にずれ込むのは、5~6年に1度程度です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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