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土曜日は雨雲が”合体強化”する関東や東海で、特に大雨に警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
洪水の道を渡る車(写真:アフロ)

13日(月)の大雨

4月13日の大雨の資料(上段:ウェザーマップ、下段:気象庁発表に加工)
4月13日の大雨の資料(上段:ウェザーマップ、下段:気象庁発表に加工)

今週月曜日、上空に強い寒気を伴った低気圧が日本付近で急速に発達した影響で、全国的に大荒れの天気となりました。

どこでどれ位の大雨になるのか、あるいは強い風が吹くかなどは、その時の低気圧のコースや発達具合などによるところが大きいのですが、この日は低気圧後面から北風の吹き付けた中国地方、あるいは冷気と暖気が衝突し活発な雨雲が発生した関東地方などで、特に4月としては記録的な大雨となった所がありました。

東京都心でも夕方頃を中心に雨脚が強まり、24時間の降水量は132ミリに達し、4月の日降水量、24時間降水量ともに、観測史上1位を更新しました。

土曜日も今週月曜日と同様の低気圧が通過

18日(土)の予想天気図(ウェザーマップ)
18日(土)の予想天気図(ウェザーマップ)

あす土曜日も今週月曜日と同様、上空に強い寒気を伴った低気圧が日本付近を通過するため、広い範囲で雨や風が強まり、荒れた天気となる見込みです。

低気圧の発達具合は今週月曜日ほどではありませんが、それでも雨雲が”合体強化”する形の関東や東海を中心に大雨には警戒が必要です。

では雨雲が”合体強化”するとはどういうことなのか?見てみましょう。

西日本と東日本に別の雨雲

土曜日午前0時の雨と風の予想(ウェザーマップ)
土曜日午前0時の雨と風の予想(ウェザーマップ)

土曜日に日付が変わった直後、午前0時の雨雲の予想をみると、西日本と東日本にそれぞれ別の雨雲が広がっています。

西日本に広がっているのは低気圧や前線によるもの、一方東日本に広がっているのは東海上へ抜けた高気圧からの湿った南東風に伴い発生したもの。

それぞれ活発な雨雲を伴っていますので、この時点でも本降りの雨や強い雨の降る所があるでしょう。

土曜日朝には雨雲が合体へ?

土曜日午前6時の雨や風の予想(ウェザーマップ)
土曜日午前6時の雨や風の予想(ウェザーマップ)

土曜日午前6時の雨雲の予想をみると、西日本の雨雲は順調に東へ進んでいますが、一方で東日本の雨雲はあまり動いていないように見えます。

これは日本の東へ抜けた高気圧が強まり、東日本の雨雲が東へ進むのをブロックしているためで、西からの雨雲が次第に合体するような形となる予想です。

土曜日昼には”合体強化”で一段と活発に

土曜日正午の雨や風の予想(ウェザーマップ)
土曜日正午の雨や風の予想(ウェザーマップ)

土曜日の昼頃になると、西からの雨雲と東日本の雨雲がまさに合体するような形となり、一段と活発となるでしょう。

東海や関東では雨の降り方がピークとなり、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降るおそれがあるため、低地の浸水や土砂災害などに警戒が必要です。

さらに沿岸部を中心に強い南風も吹き荒れるため、台風を思わせるような横殴りの降り方をする所もあるでしょう。

土曜日夜には東北へ移動

土曜日午後6時の雨や風の予想(ウェザーマップ)
土曜日午後6時の雨や風の予想(ウェザーマップ)

そして雨雲は活発な状態のまま線状のような形となり、夜にかけて東北へ北上する見込みです。

特に福島県から岩手県にかけての太平洋側では、大雨や暴風を伴った大荒れの天気となるおそれがあり、日本海側よりも特に太平洋側で警戒を要します。

気象庁からきょう夕方に発表された情報によると、

あす土曜日夕方までの予想雨量は、多い所で、

関東南部 200ミリ

関東北部 160ミリ

甲信   150ミリ

伊豆諸島 150ミリ

静岡県  250ミリ

東海(静岡以外)100~150ミリ

一方、あす夜にピークを迎える東北太平洋側は、

あす土曜日夕方まで、多い所で120ミリ

その後、日曜日の夕方までに、多い所で100~150ミリの予想です。

4月としては記録的な大雨となる所もありそうですから、警戒をして下さい。

また今回の大雨もそうですが、これから出水期を迎えるにあたり、避難所が開設される場合も多々出てくるだろうと思います。

もし災害の危険度が高まった場合は、たとえ外出自粛が呼びかけられていたとしても、これまでと変わらず迅速に避難することが防災の基本だと思います。

もちろん、避難所に多くの人が集まれば、新型コロナウイルス感染拡大の懸念も出てきますが、まずは命を守ることが最も大切です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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