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記録的な暖冬から記録的な暖春へ?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
菜の花と柴犬(暖かい日和)(写真:アフロ)

東京都心と横浜の冬の気温推移

東京都心と横浜の気温と日降水量、ともに5日移動平均(ウェザーマップ)
東京都心と横浜の気温と日降水量、ともに5日移動平均(ウェザーマップ)

気象庁の季節の統計では、12月から2月までの3か月間を冬としていますので、きょう2月の最終日で冬が終わることになります。

この冬は暖冬暖冬と騒がれましたが、実際に関東地方の気温はどうだったのでしょうか?東京都心と横浜の気温の推移からみてみましょう。

それぞれ最高気温、平均気温、最低気温について、平年値と比較したものが上図で、推移が分かりやすいように5日移動平均をとってあります。すると平年を明瞭に下回っているのは12月上旬の5日間くらいで、3か月間を通して、ほぼ平年より高い状態が続いたことがわかります。

特に1月の終わり頃からは顕著な高温となり、寒気の入った2月8日前後の数日間を除いて、平年よりはかなり高い日が多くなりました。

大阪と福岡の冬の気温推移

大阪と福岡の気温と日降水量、ともに5日移動平均(ウェザーマップ)
大阪と福岡の気温と日降水量、ともに5日移動平均(ウェザーマップ)

西日本を代表して、大阪と福岡の気温もみておきます。

こちらも同じような傾向で、12月上旬に目立って平年を下回っている以外は、ほとんど平年よりは高い状態で推移しています。

ただ2月に入ってから立春寒波の流れ込んだ2月8日頃、及び寒気が西回りで流れ込み、福岡で過去最も遅い初雪を観測した2月17日頃に気温が落ちていますが、これでもならせばほぼ平年並み程度の寒さであったことがわかります。

東日本や西日本を中心に記録的な暖冬

90日間平均気温の平年差(気象庁)
90日間平均気温の平年差(気象庁)

気象庁による90日間の平均気温の平年差をみてみると、東日本や西日本を中心に、平年よりは1.5℃以上高いことを示す赤一色となっており、ややトーンの低い北海道でも1℃前後高いところが多くなっています。

3月2日に気象庁から冬のまとめが発表される予定ですが、過去の記録を更新するような暖冬だったところが続出すると思われます。

3月も高温傾向必至?

東京都心の16日予報の予想最高気温(ウェザーマップ)
東京都心の16日予報の予想最高気温(ウェザーマップ)

記録的な暖冬が終わり、3月がスタートしますが、引き続き、顕著な高温傾向が予想されています。

気象庁による3月から5月にかけての春の気温は、全国的に50%の確率で高くなる予想で、さらに今週発表された最新の3月の気温は、ほぼ全国的に80%の確率で高くなる予想です

ウェザーマップによる東京都心の16日予報で、最高気温に注目すると、この時期、平年ならば12℃から13℃程度ですが、春本番とも言える15℃以上の予想が10日もあり、気象庁の予想通り、高温傾向が続く予想です。

東京都心の桜の開花は過去最早3月15日?

桜の開花予想(ウェザーマップ)
桜の開花予想(ウェザーマップ)

この高温傾向を反映して、桜の早咲きも記録的になるかもしれません。

ウェザーマップが発表している桜の開花予想では、最も早く咲く地点が横浜で3月14日、これは平年より12日も早く、過去最早(3月15日)を更新する予想です。

続いて東京都心が3月15日となっており、これも平年より11日も早く、過去最早(3月16日)を更新する予想です。

さらに平年と比べて16日も早い予想の所が続出しており、水戸3月17日、金沢3月19日、福島3月24日、仙台3月26日、長野3月28日は、過去最早を3日から7日も更新する予想です。

今年はなかなかお花見を楽しむという状況にはならないかもしれませんが、記録的な暖冬から暖春予想で、桜は平年より圧倒的に早く咲きそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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