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東京都心、2月の最高気温15℃以上の日数が観測史上初めて二けたに

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
桜満開(写真:つのだよしお/アフロ)

東京都心は今月10日目の15℃以上

2月24日の最高気温(気象庁発表)
2月24日の最高気温(気象庁発表)

この冬は記録的な暖冬で、強い寒気が入っても一時的という状況が続きましたが、今月(2月)に入っても、特に関東などでその傾向が顕著となっています

きょう24日(月)振替休日は、北日本の荒天も収まり、特に晴れた関東以西では最高気温が15℃以上まで上がるポカポカ陽気となりました。

東京都心に注目すると、きょうの最高気温は15.4℃と3月が終わる頃の陽気となり、これで下に示す通り、今月に入り、最高気温15℃以上の日数は10日目となりました

2月03日15.2℃

2月05日15.2℃

2月12日16.0℃

2月13日18.2℃

2月14日16.0℃

2月15日16.2℃

2月17日16.8℃

2月22日18.2℃

2月23日16.0℃

2月24日15.4℃

東京都心の平年値では、最高気温15℃というのは3月28日頃に相当し、16℃以上ならば4月の暖かさに相当します。

つまり、平均すると、今月は2日に1日程度は、まさにお花見をする頃の暖かさに包まれているということになります。

あまりにも簡単に15℃以上の気温が出てしまうので、毎年2月ってこんな感じだったかな?という声も聞かれるほどですが、そんなことはありません。

2月に15℃以上の日数が二けた(10日以上)となるのは観測史上初めてのことなのです。

65年ぶりに記録更新、初めて二けたに

2月の15℃以上の日数(筆者作成)
2月の15℃以上の日数(筆者作成)

東京都心で気温の観測がある1876年以降、2月の最高気温15℃以上の日数について調べてみると、そのほとんどの年でわずか数日しかなく、5日以上ある年は平均して10年に1度程度とかなり少なくなっています。

さらに過去最も多かったのが1955年の9日で、きょう記録した10日というのは、実に65年ぶりに過去の記録を更新し、観測史上初めて二けた(10日)に到達しました。

この冬の顕著な暖冬はこんなところからも分かることになるでしょう。

今月は残すところ、まだ5日もありますので、この記録はまだまだ上乗せがあるのか?というと実はそういうわけでもありません。

この先は寒の戻り、記録は打ち止めか?

東京の週間予報(気象庁発表)
東京の週間予報(気象庁発表)

この先、気象庁から発表されている週間予報によると、向こう一週間は最高気温15℃以上の予想が1日もありません。

これは25日(火)~26日(水)にかけて、低気圧の通過で雨が降った後、上空に寒気が入り、週末にかけて、寒の戻りが計算されているからです。

特に28日(金)~29日(土)にかけては真冬を思わせる寒さとなりそうで、2月最終日の29日(土)は南岸低気圧が通るため、降水域がまとまれば雪が混じるような凍える寒さとなる可能性も想定内です。

顕著な暖冬と3月にかけての高温予想で、ウェザーマップによる桜の開花予想では、東京都心の開花予想日は過去最も早い3月15日となっていますが、この週末の低温が少しだけ遅く咲く方向に影響する可能性もあるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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