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台風8号は九州南部を直撃へ。さらに台風9号に加えて台風10号も発生へ。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風や熱帯低気圧の雲(ウェザーマップ)

台風8号は強い勢力で九州南部へ

台風8号の予報円(ウェザーマップ)
台風8号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風や熱帯低気圧情報(気象庁)

台風8号は西日本の南海上を西進しながらさらに発達し、きょう午後3時に最大風速35メートル(最大瞬間風速50メートル)の強い勢力となりました。

今後もこの勢力を保ったまま、あす火曜日の未明から明け方にかけて、宮崎県あるいは鹿児島県を直撃するおそれが高くなっています。

まるで”竜巻”のような台風8号

火曜日午前3時の雨や風の予想(ウェザーマップ)
火曜日午前3時の雨や風の予想(ウェザーマップ)

台風8号の特徴は何と言ってもコンパクトながらしっかりとした渦構造を伴っていることです。このため中心が近付くと、急激に雨や風が激しくなり、一気に大荒れへと急転します。

例えるならば”大型の竜巻”といったところでしょうか・・・。

台風の直撃が予想される宮崎県や鹿児島県、あるいは大分県では、真夜中に大雨や暴風など、危険度が非常に高くなるおそれがあります。

夜中の避難行動はリスクを伴いますので、なるべく今夜午後9時ころまでに安全な場所に避難しておくことをお勧めします。

大荒れの時間はあまり長時間ではないものの、猛烈な雨を伴った暴風雨となるおそれがあり、総雨量は300ミリ以上に達する所もあるでしょう。

厳重な警戒が必要です。

台風9号は沖縄へ、さらに台風(10)号も発生へ

台風9号の予報円と熱帯低気圧(ウェザーマップ))
台風9号の予報円と熱帯低気圧(ウェザーマップ))

一方、フィリピンの東にある台風9号は発達しながらゆっくりと北上しています。

今後も発達を続けながら北西方向へ進み、木曜日から金曜日頃に、最大瞬間風速60メートルの非常に強い勢力で、沖縄(先島諸島)近海を北上する見込みです。

勢力の強い大きな台風がゆっくりと北上しますので、先島諸島を中心とした沖縄では、水曜日から土曜日頃までかなり長い時間、大きな影響を受けるおそれがあり、こちらも厳重な警戒が必要です。

そしてこの台風9号の予報円は金曜日から土曜日にかけて、かなり大きくなっており、西側へ進めば、そのまま大陸へ上陸しますが、東側へ進めば、一転して、九州へ近づくような可能性もあり、まだかなり不確実な状況となっています。

というのは、タイトル画像にもある通り、けさ台風9号の東側で新たな熱帯低気圧が発生し、この熱帯低気圧が24時間以内に台風(10)号へ発達する見込みで、この新たな台風や太平洋高気圧の影響により、種々のコンピュータの計算によって、様々なコース取りが予想されているからです。

台風9号と台風(10)号と太平洋高気圧

太平洋高気圧と台風の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と台風の予想(ウェザーマップ)

今週末からは3連休ですが、非常に難しい予報となっています。

台風9号に加えて台風(10)号も発生する見込みで、台風が2つあると今日本付近に猛暑をもたらしている太平洋高気圧を強める働きがあるため、もしかしたら3連休にかけても、日本付近では厳しい日差しと猛烈な暑さが続く可能性があります

その一方で、2つの台風同士がそれぞれの進路に影響しあって、ともに日本付近へ近づく可能性も否定できません。

週末からの3連休、あるいはもう少し先までの天候は、これら2つの台風と太平洋高気圧との複雑な絡み合いにより、非常に予想が困難な状況です。

今後の最新の予想にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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