梅雨時にしては珍しい低気圧の北上。週末は大雨や暴風などに警戒を。
梅雨時にしては珍しい低気圧の北上
週末にかけて、全国的に荒れ模様となり、場所によっては大荒れとなりそうです。
その荒天をもたらすのが日本列島を北上する予想の低気圧です。
一般に梅雨時の低気圧は梅雨前線上を東進することが多いのですが、今回は上空の気圧の谷が深く、この南北の流れに乗るように、日本付近を北上するように進み、今夜からあす土曜日にかけて、発達しながら九州南部から北陸付近へ進む予想です。
その後、日曜日にかけて、北日本へ進むでしょう。
さながら台風が日本列島を北東進するような進路となりそうです。
もちろん熱帯で発生する台風とは性質がやや異なりますが、それでも南から非常に湿った空気(たっぷりの水蒸気)を日本付近へ持ち込むため、広く大雨となるおそれがあり、しかも沿岸部を中心に風もかなり強まるでしょう。
今夜の帰宅時間は西日本で雨や風が強まる
今夜金曜日の帰宅時間は低気圧が九州の南へ接近してくるため、四国~九州にかけて活発な雨雲が広がり、太平洋側を中心に雷を伴って、激しく降る所が出てくるでしょう。
低気圧に近い、高知、宮崎、鹿児島など、沿岸部では東寄りの風も強まり、荒れ模様となる所もありそうです。
土曜日朝は関東や西日本で荒れ模様
あす土曜日の朝には低気圧が四国付近へ進み、西日本で荒天がピークとなるでしょう。
低気圧に近い四国はもちろん、南からの暖気と大陸からの寒気が衝突する九州北部や中国地方でも雨雲が発達し、あす朝にかけて、大雨となるおそれがあります。
さらに低気圧の中心からやや離れた関東でも活発な雨雲が北上し、都心を含めて、各地でザーザー降りの雨となりそうです。
千葉や神奈川などの沿岸部では平均16メートル以上の東寄りの風が吹き付けるため、台風のような荒天の所もありそうです。
土曜日夜は北日本の太平洋側で雨、風強まる
土曜日の夜になると、低気圧が北陸から東北へ向かうため、北日本の太平洋側でも雨や風が強まり、特に宮城や岩手の沿岸部では暴風を伴うおそれもあり、十分な警戒が必要です。
その後、日曜日にかけて、低気圧は北日本を北東へ進み、北日本は日曜日まで荒天に警戒が必要となりそうです。
総雨量はあちらこちら100ミリ~200ミリ
上図はコンピュータの計算によるこれから日曜日にかけての総雨量の予想です。
西日本は広く黄色い100ミリ以上が計算され、紀伊半島や四国では局地的に200ミリ以上の予想です。また関東以北でも、太平洋側を中心に、所々で100ミリ以上が計算されています。
これはあくまでもコンピュータの予想で、局地的に雨雲がさらに発達するような場合、上記の2倍以上の雨量となることも時々あります。
気象庁からきょう午前11時過ぎ、「大雨と雷、突風に関する全般気象情報」が出されました。
特に3日前、少雨に関する情報が出されたばかりの西日本や北日本でも一転して大雨となるおそれがあります。
雨の降り方によっては先日広島などで発表された大雨に関する警戒レベル4以上が多くの所に出される可能性もありますので、今後の大雨情報などに十分ご注意下さい。