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”爆弾低気圧”の恐れ。月曜日は関東や東北被災地で春の嵐に厳重警戒を。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
爆弾低気圧で荒れ模様(写真:ロイター/アフロ)

”爆弾低気圧”に発達か

天気図の変化(気象庁)
天気図の変化(気象庁)

きょうは九州付近を二つの低気圧が発達しながら進んでいるため、西日本の広い範囲で雨が降っており、雨や風の強まっている所もあります。

二つの低気圧の内、九州の南にあるものが今後急速に発達しながら本州の南を東進し、あす月曜日の午前9時には関東付近で980hPaとなる予想です。

1日に24hPa以上発達する低気圧を”爆弾低気圧”と呼ぶことがありますが、今回の低気圧も関東を通過した後、三陸沖にかけてさらに猛烈に発達する見込みで、いわゆる爆弾低気圧となるかもしれません。

この低気圧に対して、気象庁から全般気象情報が出されました。

全国的に荒れ模様となりますが、特に関東や東北の被災地では暴風や高波に厳重な警戒が必要です。

月曜日の朝は関東で大荒れ

月曜日の雨の予想(ウェザーマップ)
月曜日の雨の予想(ウェザーマップ)

関東地方にも防災情報が出されました。

低気圧は急速に発達しながら、月曜日の朝に千葉などの関東沿岸部をかすめるように北東へ進む予想です。

このため、関東の荒天のピークはちょうど朝の通勤通学の時間帯と重なる見込みで、千葉や神奈川などの沿岸部を中心に、局地的には1時間に30ミリ以上の激しい雨が降り、東京都心でもザーザー降りの雨となりそうです。

ゴロゴロと雷鳴のとどろく所もありそうで、念のため、落雷などにも注意が必要です。

関東沿岸部では暴風に警戒を

月曜日の風の予想(ウェザーマップ)
月曜日の風の予想(ウェザーマップ)

さらに雨に加えて風がかなり強まる予想です。

低気圧に伴う反時計回りの強風域が朝の内に沿岸部を北上する見込みで、千葉や茨城などの海沿いでは平均16~20メートル以上の非常に強い風が吹く恐れがあり、瞬間的には25~35メートルの台風並みの暴風が吹き荒れるかもしれません。

交通機関に影響が出る心配もありますので、月曜日の朝は時間に余裕を持った行動が必要でしょう。

埼玉や東京多摩など、内陸部ではそれほど強い風は予想されていませんが、瞬間的な強風には十分な注意が必要です。

月曜日の午後は東北被災地で大荒れか

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

関東沿岸を通過した低気圧はその後も発達を続け、月曜日の昼前から夜にかけて、三陸沖で台風並みに発達する見込みです。

低気圧に近い福島県から青森県の太平洋側では、活発な雨雲が北上するほか、低気圧前面の非常に強い東風が吹き付けるため、暴風を伴った大荒れの天気となるかもしれません。

また海上では急激に波が高くなり、大しけとなるでしょう。

月曜日は3月11日で東日本大震災から丸8年となるため、多くの追悼の儀式などが予定されているようです。

津波の被害を受けた沿岸部を中心に午後から一段と雨や風が強まり、台風並みの荒天となる恐れがありますので、くれぐれも気象災害にあわぬよう十分にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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