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東京は観測史上最も暖かい立春に。しかしその後は再び雪の予想も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
東京に春一番(写真:アフロ)

上空には5月並みの暖気が流入

上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の気温予想(ウェザーマップ)

日本海を進む低気圧に向かって、上空には季節外れの暖気が流れ込んでいます。

上空1500メートル付近の気温予想をみると、きょう3日からあす4日にかけて、日本付近は平年より大幅に高いことを示す赤一色となっており、特に西日本から東日本にかけては、平年より10℃以上も高い5月並みの暖気に覆われる予想です。

あす4日になると、暖気の中心は徐々に日本の東へ抜けていきますが、最後まで暖気に覆われ、日中は晴れてくる関東地方で特に気温が上がる予想です。

立春は関東地方で気温が急上昇

予想気温(気象庁・加工了承済み)
予想気温(気象庁・加工了承済み)

きょうは南風の強まっている九州で気温が上がっていますが、あす立春になると関東地方で急激に暖かくなりそうです。

東京は明け方頃まで、統計史上最も早い春一番の可能性もある強い南風が吹いた後、晴れてくる日中には19℃まで上がる予想です。

これは桜が満開となり、お花見を楽しむ頃を通り越し、4月中旬並みの季節外れの陽気となります。予想通りならば、もちろん今年に入ってから最も高く、20℃以上となった昨年12月5日以来の高温となります。

また立春の気温としては1876年の観測開始以来、最も高いことになります。

立春の高温記録更新は間違いなし?

東京都心の立春の最高気温(筆者作成)
東京都心の立春の最高気温(筆者作成)

2月の初めはまだまだ強い寒気が流れ込みやすく、年によっては立春寒波と呼ばれるような強烈な寒気も流れ込むことから、立春は名のみで、まさに暦の上だけの春ともよく言われます。

実際に東京都心における立春(2月4日頃)の最高気温を調べてみると、以前は10℃を超えるのも数年に一度程度で、5℃以下の厳しい寒さの年も多かったことからまさに立春は名のみの春という感じでした。

1950年頃からは10℃以上の年も目立つようになりましたが、それでも15℃を超えるようなポカポカの立春は滅多にありません。

これまでで15℃以上となった立春は、1949年16.4℃、1959年15.6℃の2回だけで、近年では2013年の14.8℃が最も高くなっています。

もしあす予想通りに20℃近くまで上がれば、過去の記録を大きく上回り、とびぬけて暖かな立春ということになりそうです。

今週は天気と気温が乱高下

天気の予想(ウェザーマップ)
天気の予想(ウェザーマップ)
天気の予想(ウェザーマップ)
天気の予想(ウェザーマップ)

立春は記録的な暖かさとなりますが、今週は気温と天気がまさに乱高下状態となりそうです。

6日の水曜日には本州の南を低気圧が通過し、太平洋側で再びまとまった降水となるでしょう。

関東地方は一旦上空に寒気が流れ込み、もっとも気温の下がる明け方頃から降水が始まるため、水曜日の明け方から朝の内は、東京都心など南部でも一時的にみぞれや雪になることが予想されています。

その後は上空の気温が上がり、日中にかけて平野部では雨に変わりそうですが、最新の情報にご注意下さい。

また9日の土曜日頃にも南岸低気圧が通過するため、東京を含めて雨か雪の予報です。9日は3連休の初日でもあり、降れば上空の気温から雪となる可能性も大きいとみられるため、合わせて、ご留意下さい。

参考:こよみのページ 国立天文台暦要項

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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