2つの熱帯低気圧が発生中。11月に本州付近へ接近した台風はあるのか?

熱帯低気圧の雲の様子(ウェザーマップ)

2つの熱帯低気圧が発生中

11月17日午前3時の天気図(気象庁HPより)
11月17日午前3時の天気図(気象庁HPより)

今年は夏季に台風が次々と発生し、9月までに25個の台風が発生したものの、その後は突然スローペースとなり、10月以降に発生した台風はわずかに台風26号の1個だけとなっています。

ところがここにきて南の海上が少々騒がしくなってきました。

けさ3時の天気図をみると、日本のはるか南の海上と南シナ海にTDマークがありますが、これはTROPICAL DEPRESSIONの略で、熱帯低気圧を表します。

つまり現在2つの熱帯低気圧(台風の卵)が発生しているのです。

さらにタイトル画像の雲の様子をみると、右側の熱帯低気圧の東側でも雲がまとまってきており、今後熱帯低気圧に発達するかもしれません。

気象庁からはこれら台風の卵が台風へ発達するという公式な情報は発表されていませんが、種々の計算の中には複数の台風を発生させているモデルもあります。

ところが季節はすでに晩秋~初冬へ移り変わる時期の11月。

果たしてこんな時期に本州付近へ接近したような台風はあるのでしょうか?

11月に本州付近へ接近した台風は3個。1個は上陸も。

11月になっても、沖縄や伊豆諸島・小笠原諸島へ接近する台風はけっこうあり、台風の統計がある1951年以降では、沖縄に27個伊豆諸島・小笠原諸島には25個の台風が接近しています。

ところが本州付近への接近となるとその数はガクッと減り、わずかに3個のみとなっています

しかしこのうち1個はなんと11月30日に暴風域を伴ったまま紀伊半島へ上陸しており、条件さえ整えば、まれにでも本州付近へ台風のまま到達する可能性もあるということを物語っています。(下欄参照)

今年は台風12号が異例のコースで本州付近を西進したほか、8月には24年ぶりに9個の台風が発生し猛烈な台風が過去最も多い7個発生するなど、台風に関しては例年とは違う様相を呈しているだけに、もし新たな台風が発生すればちょっと気になるところです。

11月30日に上陸した台風

1990年台風28号情報(進路図は気象庁、天気図はデジタル台風より、加工あり)
1990年台風28号情報(進路図は気象庁、天気図はデジタル台風より、加工あり)

11月に本州付近へ接近した3個の台風のうち、とてつもない記録を持っているのが1990年の台風28号です。

なんと11月30日午後2時頃に暴風域を伴った強い勢力で、和歌山県の白浜町の南に上陸しました

それまでの遅い上陸の記録が10月28日でしたから、一気に約1か月も最晩記録を更新したのです。

何故このようなことが起こったのか?

それは明確で、日本の南東海上で季節外れに夏の太平洋高気圧が強まり、偏西風も本州のやや北まで北上していたため、まるで9月のようなコース取りで紀伊半島を直撃したのです。まさに条件さえ整えば11月の末でも上陸することが起こりうる典型的な台風となりました。

11月26日に関東へ接近した台風

1965年台風32号情報(進路図は気象庁、天気図はデジタル台風より、加工あり)
1965年台風32号情報(進路図は気象庁、天気図はデジタル台風より、加工あり)

さらに1965年11月末にも台風32号が関東の南に接近し、足早に北東方向へ駆け抜けています。

この台風も中心気圧960~970hPa程度の比較的しっかりとした勢力で、関東沖を通過しました。

この時の気圧配置も1990年台風28号の時と非常に似ており、やはり季節外れに強まった太平洋高気圧の縁辺を回るようにして関東沖までやってきました。

11月に本州付近へ接近したもう1つの台風は1952年の台風21号です。

この台風はフィリピンの北から台湾付近を通り、沖縄の北から西日本の南海上へ進んだところで消滅しています。

台風が日本の南で発生し、そのタイミングでたまたま季節外れに太平洋高気圧が強まっているような場合は、たとえ11月でも本州付近へ北上してくることが起こりうるということです。

参考:デジタル台風