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猛烈台風26号、最大瞬間風速80メートルでサイパン島付近を直撃へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風26号の雲(ウェザーマップ)

サイパン島付近は破壊的な暴風の恐れ

台風26号の予報円(ウェザーマップ)
台風26号の予報円(ウェザーマップ)

台風26号は予想よりも早いペースで発達し、きょう午後3時に中心気圧920hPa、最大風速55メートル、最大瞬間風速75メートルの猛烈な台風となりました。

これで今年発生した猛烈な台風は3号、8号、21号、22号、24号、25号に次いで7個目となり、統計のある1977年以降では、1983年の6個を更新し、最も多くなりました。

そしてタイトル画像にもある通り、猛烈な台風26号は雲の中心付近に鋭い明瞭な眼を伴って、サイパン島付近へ近づいています。

台風26号が発生したおととい月曜日の時点では、サイパン島付近に最接近時の中心気圧は950hPa程度で、やや北寄りにそれて通る予想でしたから、台風が予想よりも南寄りに進んだことや予想以上に急激に発達したことから、サイパン島付近では予想外の大嵐に見舞われる恐れがあります。

最新の予想では、サイパン島付近に最接近するあす木曜日の未明にはさらに勢力を増し、中心気圧は910hPa、最大瞬間風速は80メートルが見込まれています。

サイパン島付近はいわば強い台風の通り道で、幾度となく、台風災害に見舞われていますが、今回の台風26号はその中でも記録的な勢力でサイパン島付近を直撃する恐れがあります。

気象庁による風の強さと吹き方によると、最大瞬間風速が60メートル以上になると「住家で倒壊するものがある」「鉄骨建造物で変形するものがある」「電柱や外灯で倒れるものがある」などとなっており、さらに竜巻に使われる藤田スケール(Fスケール)では最大瞬間風速が80メートル前後になると、「壁が押し倒され住家が倒壊する」「非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる」「汽車は転覆し、自動車はもち上げられて飛ばされる」「森林の大木でも、大半折れるか倒れるかし、引き抜かれることもある」などとなっています。

サイパン島付近の被害が非常に心配される状況です。

サイパン島付近通過後はフィリピンの東へ

台風26号の予報円(ウェザーマップ)
台風26号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風26号はサイパン島付近を通過した後、これまでの予想よりもやや南寄りをほぼまっすぐに西進し、予報円の真ん中を進むと北緯20度ラインを超えないまま週明けにはフィリピンの東海上に達する見込みです。

ただこのあたりからの進路はまだ定まっていませんので、引き続き、最新の情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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