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台風25号、危険な温帯低気圧に姿を変え北日本へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風25号と秋雨前線の雲(ウェザーマップ)

台風25号、広い暴風域

台風25号の予報円(ウェザーマップ)
台風25号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風25号は九州北部に最も接近しています。

きょう午前9時現在、中心気圧970hPa、最大風速30メートル、最大瞬間風速45メートルで、強い勢力ではなくなりましたが、大型の台風として朝鮮半島の南端付近に達しています。

台風25号の暴風域は広く、直径が450キロもありますが、特に東側に大きく260キロにも及んでいるため、台風の中心は朝鮮半島の南端付近にあるものの、長崎県、福岡県など、九州北部の一部が暴風域に入っている状態です。

きょう午前10時までの最大瞬間風速は、長崎県厳原39.5メートル、長崎県野母崎34.0メートルのほか、福岡でも30.9メートルと今年に入ってから最も強い風を観測しました。

台風25号はこのあと日本海を足早に進み、あす日曜日の未明には冷たい空気を巻き込んで温帯低気圧に変わる見込みですが、全く油断は出来ません。

活発な雨雲と暴風を伴い、危険な低気圧として北日本に襲来する見込みです。

大荒れエリアは日本海を北東へ

土曜日午後6時の風と雨の予想(ウェザーマップ)
土曜日午後6時の風と雨の予想(ウェザーマップ)

台風25号は朝鮮半島を過ぎたあと、日本海を北東へ進みます。

このため、台風本体の最も危険な大荒れエリアも日本海を進むことになるでしょう。

ただ台風の強風域が広いことや台風の風が強い進行方向の右側に日本列島が入るため、比較的離れて通っても、日本海側を中心に瞬間的に30メートル前後の強い南風が吹き荒れる恐れがあります

また湿った空気のぶつかる東海~九州の太平洋側では、引き続き、局地的な激しい雨にも警戒が必要です。

低気圧になっても暴風をもたらす

日曜日午前9時の風と雨の予想(ウェザーマップ)
日曜日午前9時の風と雨の予想(ウェザーマップ)

そしてあす日曜日午前9時の風と雨の予想をみると、台風25号から変わった温帯低気圧がちょうどこの頃、北海道付近に到達する予想です。

風に注目すると、土曜日の午後6時の状態よりも、むしろ強風の吹く範囲が広がっている予想で、さらに中心付近よりもその回りで風が強く吹く構造に変わっています。

これが温帯低気圧に変わった特徴とも言え、特に低気圧の南側に位置する東北北部ではかなり強い南西風が吹き荒れる恐れがあり、厳重な警戒が必要です。

また北海道は活発な雨雲が通過し、多い所では100ミリ~200ミリ程度の大雨となる恐れがあります

大きな地震で地盤がゆるんでいる可能性もありますので、よりいっそう雨の降り方に警戒をして下さい。

真夏日が続出。日曜日は関東内陸で35℃近くの所も?

台風25号が熱帯の空気を運び込んでくるため、土日は30℃以上の季節外れの真夏日が続出しそうです

けさ発表された予想最高気温は以下の通りです。

土曜日(6日)

32℃・・・金沢、高田、高松、松山、大分

31℃・・・福島、長岡、富山、福井、大阪、鳥取など

30℃・・・新潟、京都、奈良、浜田、宇和島など

日曜日(7日)

33℃・・・熊谷

32℃・・・水戸、宇都宮、さいたま、土浦、甲府など

31℃・・・東京、前橋、三島など

30℃・・・小田原、静岡、名古屋など

10月としてはあまりないくらいに真夏日が続出し、特にあす日曜日は関東の内陸で35℃近くまで上がるかもしれません。

暴風や大雨、高波などに加え、季節外れの熱中症にもお気をつけ下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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