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台風25号、暴風とともに記録的な暑さの可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風25号の雲(ウェザーマップ)

沖縄北上後、日本海から北日本へ

台風25号の予報円(ウェザーマップ)
台風25号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風25号が沖縄地方に接近してきました。

海水温のやや低い所に入り、時間とともに少しづつ衰弱していますが、それでもきょう午後3時現在、中心気圧965hPa、最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートルの大型で強い勢力となっています。

これからあす金曜日の明け方にかけて沖縄地方に最も接近するため、暴風や高波、大雨などに厳重な警戒が必要です。

その後は東シナ海を北上し、東寄りに転向した後、土曜日には朝鮮半島の南端を通り、日曜日には暴風域を伴った状態で北日本へ接近し、上陸する恐れがあります。

活発な雨雲は朝鮮半島から北海道へ。本州付近は南風が強まる。

風と雨の予想(ウェザーマップ)
風と雨の予想(ウェザーマップ)

土曜日の正午の予想をみると、秋雨前線と一体化した台風本体の活発な雨雲は朝鮮半島を進む予想です。

この雨雲は日本海を進み、日曜日の日中に北海道を足早に通過するでしょう。

一方、各地で南風が強まる予想で、特に台風に近い西日本の日本海側や東北地方の日本海側では、瞬間的に30メートルから40メートル程度の暴風が吹く恐れがあり、早めの台風対策が必要です。

真夏日続出へ。35℃以上の猛暑日の所も?

台風や太平洋高気圧、上空の暖気予想(ウェザーマップ)
台風や太平洋高気圧、上空の暖気予想(ウェザーマップ)

台風25号は朝鮮半島から日本海へ進む予想ですが、これは10月としてはかなり珍しく、一見すると真夏のようなコース取りとも言えます。

なぜこのようなコースを取るのでしょうか?

それは台風が北上するタイミングで、ちょうど真夏の暑さをもたらす太平洋高気圧が日本付近で強まるからです。

この影響で台風25号は日本付近を大回りして日本海へ進み、同時に台風は本州付近へ熱帯の空気を引き連れてくる予想です。

土曜日の上空1500メートル付近の気温は本州付近で15℃以上に上昇し、日本海側を中心に平年よりは4℃~8℃以上も高くなる予想で、これはまさに真夏並みの暖気と言えます。

土曜日から日曜日にかけては、本州付近の所々で30℃以上の真夏日となり、特にフェーン現象の起こる北陸や晴れ間の広がる関東を中心に気温が上がるでしょう。

局地的には35℃以上の猛暑日が出現してもおかしくない気象条件です。

きょう昼に発表された主な予想最高気温は以下の通りです。

()内は予想幅の上限となります。

土曜日(6日)

富山30℃(33℃)

金沢30℃(33℃)

福井30℃(33℃)

日曜日(7日)

熊谷33℃(36℃)

宇都宮32℃(35℃)

前橋32℃(34℃)

東京31℃(33℃)

京都30℃(32℃)

高知30℃(31℃)

関東内陸の熊谷や宇都宮では、条件次第で35℃以上の猛暑日となる予想です。

10月の猛暑日は過去に台風に伴う1度のみ。

過去に10月の猛暑日を1度だけ記録したことがあります。

それは2013年10月9日の新潟県糸魚川ですが、この時も今回と同じように台風24号が真夏のようなコース取りで日本海へ進み、その後温帯低気圧に変わったものの、台風の暖気とフェーン現象の影響で、10月としては全国で観測史上初めての猛暑日を記録しました。

また糸魚川だけではなく、全国の58地点で10月としては観測史上1位の暑さを記録しています。

今回もこれと同じような暑さとなる可能性がありますので、暴風や大雨はもちろん、季節外れの暑さにも十分にお気をつけ下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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