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9月のスタートを占う台風(21号)発生へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧の雲の様子(ウェザーマップ)

台風21号発生へ

熱帯低気圧(ウェザーマップ)
熱帯低気圧(ウェザーマップ)

先週、日本列島に接近したダブル台風(19号と20号)は温帯低気圧に変わり、

日曜日と月曜日は久しぶりに台風のない状態が続きました。

ところがこれから9月にかけて、まだまだ台風シーズンが続きます。

早くも日本のはるか南東の海上(マーシャル諸島)で熱帯低気圧が発生しており、この熱帯低気圧に対して、気象庁から今後24時間以内に台風に発達するという情報が発表されました。

今月は台風が次々と発生しているため、もし台風21号が発生すれば、これまた統計史上2番目あるいは3番目に早い発生となりそうです。(1951年以降)

台風21号の早い発生記録は以下の通りです。

1位1971年8月10日15時

2位1967年8月28日15時

3位1965年9月1日15時

また8月に入ってからの発生と早さは以下の通りです。

台風13号、8月3日9時(11番目の早さ)

台風14号、8月8日12時(9番目の早さ)

台風15号、8月12日0時(5番目の早さ)

台風16号、8月13日9時(5番目の早さ)

台風17号、8月14日3時(3番目の早さ)

台風18号、8月15日12時(4番目の早さ)

台風19号、8月16日9時(2番目の早さ)

台風20号、8月18日21時(2番目の早さ)

発達しながら小笠原の南へ?

8月26日現在の海水温(気象庁発表資料に加工了承済み)
8月26日現在の海水温(気象庁発表資料に加工了承済み)

台風21号が発生したあと、周辺の気象状況から北西あるいは西北西方向へ進む予想です。このあたりの海水温は平年よりはやや低いものの、28℃~29℃位あるため、発達しながら進む可能性が高いと思われます。

台風が発生する前から詳細な予報をすることは出来ませんが、種種の計算のなかには、週末に小笠原の南に進んだ後、来週の前半、9月のスタートに日本列島へ向けて進路をとるものもありますので、発生したあとの進路予想に十分ご注意下さい。

合同台風警報センター(JTWC)の予想では?

JTWCの台風予想
JTWCの台風予想

参考までに米軍の合同台風警報センターの予想では、週末に小笠原の南へ進み、非常に強い台風クラスに発達する予想です。

このあと、もし北上するようなことになると、日本列島を十分に狙える位置ともいえ、かなり心配な状況になるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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