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来週はスキー場にたっぷりの雪~年末年始は雪不足の心配なし~

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

今シーズンは早い雪の降り出し

暖かな秋を引きずるように、11月上旬までは全国的に高温傾向が続いていましたが、11月中旬になると非常に強い寒気(冬将軍第一弾)が襲来し、北日本を中心にまとまった降雪となりました。

冬将軍第一弾

特に、山沿いでは50センチ以上の積雪となった所もあり、今シーズンの雪の降り出しとしては、早々と一気に本格的な雪となったことが特徴として挙げられます。

根雪にはならず

その後も、たびたび寒気は流れ込んできましたが、時期的にはまだ晩秋~初冬ということもあり、寒気の流れ込みは一過性で、山沿いでもほとんどの所で積雪はなくなっています。つまり、北海道以外は、雪が解けないで残っている、根雪の状態にはなっていません。

気象庁が発表している11月からの累積降雪量(~12月6日)をみると、

北日本の日本海側には平年の200%以上を示す赤色の地点(北海道登別、秋田県横手など)、また中国地方には平年の300%以上を示す紫色の地点(広島県高野、島根県横田など)があるなど、局地的にはかなりの雪が降ったことがわかります。

ただ、現在の積雪をみてみると、北海道や東北の山を除いて、いったん無くなっている状態です。

累積降雪量平年比
累積降雪量平年比
現在の積雪
現在の積雪

来週木曜日以降は積雪急増

今週末も北日本ではかなり雪の降る所がありそうですが、これも長続きはしません。

一方、来週の火曜日頃には低気圧が発達しながら北日本を通過するため、大荒れとなる心配があります。そして、木曜日以降は、大陸から本格的な寒気が流れ込み、日本付近では西高東低のいわゆる冬型の気圧配置が強まる見込みです。

この冬型は数日間、長ければ4~5日間継続する可能性があり、日本海側の広い範囲で雪が降り続く見込みで、気温の低い、山沿い、スキー場などでは、たっぷりの雪が降り積もる予想です。多い所では1メートル以上の積雪まで急増する可能性もあると思われます。

気象庁発表週間予報

来週にかけての予想天気図
来週にかけての予想天気図

12月14日(土)はスキー場オープンラッシュ

すでに北海道や本州でも標高の高いスキー場では滑走可能となっている所もありますが、来週の土曜日はまさにスキー場のオープンラッシュとなります。

主要なゲレンデだけでも100近くはあるのではないでしょうか。

14日(土)オープン予定の主なスキー場をいくつか挙げると・・・

雫石スキー場

あだたら高原スキー場

水上宝台樹スキー場

万座温泉スキー場

草津国際スキー場

湯沢中里スキー場

キューピットバレイスキー場

斑尾高原スキー場

白馬乗鞍高原スキー場

びわ湖バレイスキー場

芸北スキー場

などなど。

これらのスキー場では、まだゲレンデにほとんど雪の無い所も多いのですが、来週の木曜日頃からは、各スキー場ともまとまった降雪が期待出来ると思われますので、予定通りにオープン出来る所が多くなるのではないでしょうか。

なお、再来週の週末、12月21日(土)頃は、最も多くのスキー場がオープンする予定で、主要な所だけでも150前後はありそうです。

年末年始も心配なし?

気象庁の予想では、来週後半の寒波が抜けた後、年末にかけても、比較的強い寒気に覆われる日が多い予想となっています。風向きの違いなどで、降る場所は多少違えども、寒ければ寒いほど、日本海側に面したスキー場では多くの雪が降ることになります。

昨日(12月6日)発表された1か月予報では、お正月にかけての降雪量は日本海側の各地で、平年並みか多い予想となっています。年末年始は雪不足に見舞われる年も多いスキー場ですが、今シーズンの年末年始はどうやら安泰の所が多くなりそうです。

気象庁発表1か月予報

日本海側の降雪は多い予想
日本海側の降雪は多い予想

ただし、生活面で考えると、日本海側の大雪は心配ですし、太平洋側では厳しい寒さ、乾燥に伴う、インフルエンザの増加、また火災などには十分な注意が必要となりそうです。

(上図は気象庁発表資料に加工了承済み)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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