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5月23日(木)頃は気温上昇!~真夏日続出で熱中症の危険度高まるおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

真夏日続出か 熱中症に要注意

5月というのは太陽高度が高まり、日差しがとても強くなるため、

上空に暖かな空気が流れ込むと、30℃を超える真夏日となることが珍しくありません。

今年もGW最終日の5月6日に、

宮崎県神門で島しょ部を除く初の真夏日(30.2℃)を記録。

その後、日に日に真夏日の地点数が増え、

暑さが一旦ピークとなった5月14日には全国113地点で真夏日を記録しました。

またこの日は、岐阜県揖斐川と岡山県高梁で33.0℃まで上がるなど、

全国の12地点で、5月としては観測史上1位の暑さを記録しています。

そして、来週は再び、真夏日が広い範囲で続出する可能性があります。

高温のピークとなるのは、5月23日(木)頃を中心とした数日間となりそうです。

昨日17日(金)、気象庁から発表された1か月予報でも、

来週は東日本や西日本で、気温が高くなる確率が高くなっています。

気象庁一ヶ月予報の一週目
気象庁一ヶ月予報の一週目

では、地上の気温はどれくらいまで上がるのか?

私たち気象予報士が最も注目するのは、

850ヘクトパスカル(hPa)と呼ばれる上空1500メートル付近の気温です。

下の図の右側が上空1500メートルの気温で、3℃間隔。日本付近の太線が15℃線。

上空の天気図や気温
上空の天気図や気温

この気温は地上と密接な関係があり、

晴天時にはおおむねこの気温に15℃を足した値が地上の最高気温と考えられます。

しかし、一様ではなく、海風の入りやすい沿岸部では昇温が抑えられ、

逆に、海風が入りにくい内陸の地方ほど、昇温の幅が大きくなります。

場合によっては、上空1500メートルの気温より、20℃近くもアップする事があります。

先日、真夏日が続出した時には、関東から九州にかけて、

上空の1500メートルの気温は15℃以上まで上昇していました。

そして、来週は再びこの15℃以上のラインが北上し、先日より大きく日本列島を覆う予想です。

このため、先日より更に広い範囲で真夏日となる可能性があり、

内陸部や盆地など、局地的には35℃近くに達するおそれもありそうです。

今日、18日(土)に発表された気象庁の週間予報によると、

たとえば、来週の後半、東京の気温は高い方にぶれると28℃~29℃の予想となっており、

京都では、同じく32℃~33℃程度まで上がる可能性も示唆されています。

東京の週間予報
東京の週間予報
京都の週間予報
京都の週間予報

今の時期は、まだ暑さに体が慣れていなく、

汗をかいて体温調節をうまくすることが出来ないことから熱中症の危険度が高まることになります。

先日の暑さでも、熱中症で搬送された方が出てしまいましたが、

来週も十分な注意が必要と言えそうです。

北海道は再び低温へ

一方、GW頃から記録的な低温が続いていた北海道ですが、

札幌でもようやく桜が満開を迎え、今週末は絶好のお花見日和となっています。

また、きょうは旭川で平年より13日も遅く、桜(エゾヤマザクラ)が開花しました。

観測史上最も遅い記録となります。

その北海道ですが、本州付近の暑さを尻目に、

来週は再びオホーツク海側を中心に低温となる予想です。

網走の週間予報
網走の週間予報

まだ桜が咲いていない3地点の最も遅い開花記録は、

網走5月24日、稚内5月25日、釧路5月30日となっています。

この3地点、桜の季節はいつ訪れるのでしょうか?

(上図は気象庁発表資料に加筆 了承済み)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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