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3/30に激突するWBOスーパーウエルター級チャンプvs.元WBA/WBC統一ウエルター級王者

林壮一ノンフィクションライター
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 刻一刻と迫る30日のファイト。現WBOスーパーウエルター級王者のティム・チューと、元WBA/WBC統一ウエルター級チャンピオンのキース・サーマンの両者が、先日、バーチャル記者会見で各々の心境を語った。

 サーマンは言った。

写真:REX/アフロ

 「チュー戦が決まったことを電話で知らされた時、私の中の戦士が目覚めました。このファイトで自分が得るものは沢山あります。当日は、素晴らしいボクシングの夜となるでしょう。多くの偉大なファイターたちがリングサイドに集いますよ。

 チューは時代の主役に躍り出たいようですが、こちらもボクシング界で功績を築きました。3月30日は、オーストラリアンザメに大きな水飛沫をかけて、深海に連れて行くつもりです。ファンが望む素晴らしい戦いになりますよ。

 我々はトップファイターです。互いに独自のスタイルを持っており、それがこの一戦を興味深いものにします。

写真:REX/アフロ

 ある程度の実力者ともなれば、自信を持ち、試合のリスクなど考えなくなります。彼も苦しい道程を乗り越えて来たでしょうし、チュー戦の勝利は、私にとってこれ以上ない完璧なアピールとなる筈です。自分が勝利したこれまでの試合を、超えるでしょう。

写真:REX/アフロ

 チューは右の使い方が非常にユニークですね。彼は試合当日も、右を繰り出すでしょう。我がチームは、それに注目しています。

 キャリアを重ねながら、厳しい戦いに向けて懸命に取り組んできました。私がこれまで対戦した他の世界レベルの選手に対しても同じ感情を持っていました。陣営の全員が、この戦いに勝つためのスキルを持っています。

 3月30日は、私自身の物語の1ページとさせてもらいます。リング上で自分の偉大さを表現し、ボクシング界で自分が何をしてきたかを示したいですね」

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 チューも話した。

 「こうした大舞台で戦うことは、自分の大きな夢だった。与えられた機会を最大限に生かす。これが俺の時間、俺の瞬間、そして俺の時代なんだ。今の気分は、みんなを急いで目的地に運ぶ特急列車のよう。キースだけじゃない。彼を見下してはいないが、俺は全員を乗り越える準備をしている。

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 リングに上がれば、どこにいるかなんて関係ない。ボクシングは世界共通だ。みんなに嫌われていても、愛されていても、向かい合う二人だけの戦いだ。

 一部の国民の心には、常に疑念が存在する。ファンがどちらの側に立っているのかには興味があるよ。戦いをより面白くするからね。そういった声援も、ボクシングの一部さ。すべての疑問に、試合の夜、答えるさ。

 Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ボクシング界で、ビッグマッチを夢見ない選手は、このスポーツに向いていない。ラスベガスで成功すれば、世界中に自分の名を轟かせられる。とてもシンプルだな。俺は今、それを追いかけている。

 昨年、厳しい戦いをこなしたからこそ、今回のステージに立てる。ジャーメル・チャーロ戦が待ち切れない。俺はスーパーウエルター級の選手全員に、自分が唯一無二の男であることを証明したい。大事なのは154パウンドの最強になることだ」

 さて、どんなファイトとなるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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