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新勢力が手掛ける3月28日の興行

林壮一ノンフィクションライター
出典:サリタ・プロモーション

 TOP RANK、Golden Boy、PBC(Premier Boxing Champions)等、大手プロモート会社を猛追するサリタ・プロモーションが、またミシガン州デトロイトで興行を打つ。同社の代表を務めるドミトリー・サリタは語った。

 「3月28日は、世界タイトルを目指す才能に溢れた2人のファイターが登場します。傑出したアマチュアキャリアを持つフアン・カリロは先日、キャリア最高の勝利を収めており、注目をされるであろうリングに上がる準備は万端です。ウラディミール・シシュキンはカネロ・アルバレス挑戦に注力しており、対戦の時は、もう目の前に来ております」

リオ五輪時のカリロ
リオ五輪時のカリロ写真:ロイター/アフロ

 コロンビアのバランキージャ出身のカリロ(11勝0敗、8KO)は、2019年のプロ転向以来連勝を続け、ライトヘビー級の階段を急速に駆け上がっている。直近の試合では、31歳の彼がこれまで無敗だったリチャード・バンシクレンに勝利してWBOインターコンチネンタルのベルトを獲得。ディミトリー・ビボル挑戦への道を歩むことになった。アマチュアでは 388勝23敗の戦績を積み上げ、コロンビアで最も多くの賞を受賞したトップ・アマとなり、2016年のリオ五輪では2回戦に進出した。また、2010年のコロンビアユース大会、2011年、2012年のコロンビア選手権、2012年のパシフィックカップトーナメントでも金メダルを獲得し、2014年中米・カリブ海競技大会では2位となっている。

写真:ロイター/アフロ

 21勝(16KO)8敗2分のランキンは、2011年にデビューし数多くのビッグネームと対戦してきた。ノースカロライナ州シャーロット出身の彼は、現WBAスーパーミドル級チャンピオンのデビッド・モレル・ジュニアやライトヘビー級で長く第一人者だったチャド・ドーソンと拳を交えている。

 2019年11月2日のモレル戦後、ランキンは6連勝を飾り、そのうち4つのKO勝ちを収めた。しかし、彼は2023年9月にデオン・ニコルソンにワンサイドの判定負けを喫し、今回は斬られ役として抜擢されている。

写真:ロイター/アフロ

 戦績を見る限り、カリロの存在はより認知されていてもおかしくないように感じる。28日にどの程度のインパクトを残せるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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