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WBCフライ級チャンプvs.無敗の挑戦者

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 WBCフライ級チャンピオンのフリオ・セサール・マルティネスが、3月30日に、18勝(12KO)無敗1分けの挑戦者、アンジェリーノ・コルドバの挑戦を受ける。

 チャンピオンは言った。

 「この戦いに向けた準備はできている。かなり前からトレーニングしてきたので、グローブの紐をきちんと結んで試合に臨み、是非、皆さんに素晴らしい試合を見せたい。

 アンジェリーノは強い。優れたカウンターパンチャーだ。どんな戦いにおいても、全力を尽くしている。私のベルトを奪うために、死に物狂いで向かってくるだろう。しかし、私のチームは武器を表す。トレーナーのエディ・レイノソと共にこれ以上ないトレーニングキャンプをこなしている。ファンに自分の能力を見せることが待ち切れない」

写真:ロイター/アフロ

 本来、このカードは2023年12月16日に開催される筈だったが、マルティネスにワーキングビザが発行されず、直前に中止された。王者はそのことにも触れた。

 「延期されてとてもイライラしたが、やっと試合が催されて自分の手が上がることを楽しみにしている。簡単な相手ではないし、彼が私の目の前に立つなら、それには正当な理由がある。2024年を充実したトレーニングキャンプでスタートできたことが喜ばしい。私が見据えるのはこの一戦だけではなく、統一王座だ。レイノソと私は、それを実現すべく練習している。

 私は112パウンド最強のファイターだ。既に証明しているが、さらに自分の力を示すよ」

写真:ロイター/アフロ

 現在、同級14位ながら、負け知らずの挑戦者も話した。 

 「素晴らしい試合を作ってくれ、僕自身とても興奮しています。トレーニングキャンプは、これ以上にうまくいかない内容で進んでいます。ニュージャージー州に家族を含めた最高のメンバーが揃い、3月30日に最高の状態でリングに上がれるよう、僕をサポートしてくれています。今、まさに夢への入り口に立っています。

 自分の心の中で、チャンピオンになることを想像できるんです。今回は、僕のための時間です。チャンスを得たことに感謝し、最大限に生かせるよう調整しています。必ず、夢を叶えますよ。12月の試合が延期になった時は、啞然としました。キャンプで苦しみを乗り越えていましたから、精神を持ち直すのが大変でした。

 フリオ・セサール・マルティネスは、僕が手にしたいベルトを持っています。彼らからベルトを奪いたいという思いこそ、自分にとって最も強い感情です。番狂わせでも何でも、世界タイトルを獲得するのは自分ですよ」

 さて、どんな戦いになるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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