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吉田麻也、山根視来を擁するLAギャラクシーが好発進

林壮一ノンフィクションライター
Photo:LA Galaxy

 昨シーズン、8勝14敗12分で西地区14チーム中、13位と苦しんだLAギャラクシーが開幕第2戦に勝利した。ディフェンスラインには、吉田麻也、山根視来と2名の元日本代表がスターティングメンバーに名を連ねた。

 昨夏から加入した吉田は異国の地でキャプテンを務める。今シーズンから一員となった山根は、右サイドバックのレギュラーを掴んだ。

 現地時間2月25日に行われた今季のオープニングゲームは、リオネル・メッシ率いるインテル・マイアミをホームに迎え、試合終了直前まで1-0でリードしていたが、92分にバロンドールを8度受賞しているアルゼンチン代表背番号10に、同点弾をぶち込まれ、白星を失った。

Photo:LA Galaxy ジョセフ・ペイントシル
Photo:LA Galaxy ジョセフ・ペイントシル

 トータルで23本のシュートを放ち、そのうち枠内に飛んだのが9本、ペナルティーエリア内から打った数が16と、昨シーズンとは見違える組織力を見せたギャラクシー。しかし、フリーとなりながらもシュートを外しまくった右ウイングのジョセフ・ペイントシルの決定力の無さが致命的に思えた。

 ガーナ代表の26歳、ペイントシルは、2018年からベルギーリーグのKRCヘンクに所属し、途中でトルコのMKEにレンタルされた時期があったものの、計130試合に出場している。2024年2月21日に、900万ドルの移籍金でギャラクシーと4年契約を結んだ。

 懸念材料はあるが、どんなにシュートを外しても「俺にパスをよこせ!」と、怯まずに打ち続ける姿勢は、フォワードらしいメンタルと呼べる。

Photo:LA Galaxy 待望のゴールを挙げたジョセフ・ペイントシル
Photo:LA Galaxy 待望のゴールを挙げたジョセフ・ペイントシル

 現地時間3月2日、アウェイに乗り込んだサンノゼ・アースクエイクス戦の前、グレッグ・ヴァニー監督は以下のようにコメントした。

 「プレスの組織化やプレッシャーの掛け方をチームに浸透させることは、大変な作業だ。新加入の選手がフィールドで一緒に過ごした時間があまり無かったこともある。選手が持つクオリティとチーム内での機能に違いが生じることはままある。チャンスを掴んだときは、確実にものにしたい。私はギャラクシーを本当に誇りに思っている。このチームがどれだけの力を発揮できるかが、楽しみでならない」

Photo:LA Galaxy  デヤン・ヨヴェリッチ
Photo:LA Galaxy  デヤン・ヨヴェリッチ

 アースクエイクス戦では、そのペイントシルが18分に先制点を決め、セルビア人フォワードのデヤン・ヨヴェリッチが前半終了間際に追加点。後半開始早々の48分には、今季からギャラクシーの背番号10となったリキ・プッチがダメ押しの3点目を挙げ、試合を決定付けた。

 70分に1点を返されたが、今季の勝ち点を4と積み上げた。

Photo:LA Galaxy 背番号2の山根も確実にポジションを得た
Photo:LA Galaxy 背番号2の山根も確実にポジションを得た

 試合後、26歳のガーナ人ウイングは言った。

 「初ゴールを決められて嬉しいです。私にとって本当に大きな意味があります。母と姉が『きっと今日はゴールを決め、お前は信念を貫くよ』と言ってくれていたんです。それが現実になりました。家族、ファン、そして周囲の全員に心から感謝します」

 この数年、LAFCの後塵を拝すかたちとなっていたギャラクシー。復活の狼煙を上げたか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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