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"KING"レブロンが4万17得点を達成

林壮一ノンフィクションライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現地時間3月2日の土曜日、"KING"レブロン・ジェームズがレギュラーシーズンにおける通算得点で4万ポイントを上回り、新たな記録を樹立した。4万得点まであと、9と迫った状態でTipoffを迎え、歴史的瞬間は第2Qの1分19秒に訪れた。

 左手でのドライビングレイアップだった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 昨シーズン、KINGは38,387得点を記録したカリーム・アブドゥル・ジャバーを抜き、NBA歴代得点王となった。新記録が生まれた際、ロスアンジェルス・レイカーズは、新しい得点王のセレモニーを行うために試合を休止。2023年2月8日のことである。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/20ca64377c990266e1862776834c82d06e233045

 だが、今回の祝福は、昨年に比べると控えめであった。淡々とゲームが進められたのだ。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 実際のところ、レブロンはずっと前に 40,000 ポイント超えを果たしている。ポストシーズンを含めると、ジェームズのNBA通算得点は4万8000点を超えているのだ。20年にわたり、彼はプレイオフで8,023得点を記録している。やはり、唯一無二の男である。

 今年の暮れに40歳となるKINGだが、今シーズンも1試合平均25得点以上を記録しており、追随を許さない。しかも、この数字を20年間続けているのである。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 しかし、これだけの選手を擁しながら、レイカーズは他のメンバーがKINGを生かし切れない。2日のゲームも114-124でデンバー・ナゲッツに敗れた。目下、33勝29敗のレイカーズは西地区15位チーム中10位。

 レブロンが孤軍奮闘しても、なかなか勝ち切れない。4万得点を超えたゲームでは、37分のプレーで26得点、9アシスト、4リバウンド。20本のシュートを放ち、成功は12だった。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今日のKINGは、どうしても勝てなかったクリーブランド・キャバリアーズを去ることを決めた時以上に、苦しんでいるように映る。マイアミ・ヒートほどのチームメイトに恵まれるのは不可能だとしても、現状の彼は気の毒だと感じざるを得ない。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 マイケル・ジョーダンにはスコッティ・ピッペンという女房役がいた。KINGが初めてNBAを制した折には、チームメイトにドウェイン・ウェイドがいた。故郷近くのキャバリアーズでVを成し遂げた折には、カイリー・アービングの存在があった。2020年に4度目のNBA王者となった際にはレイカーズのユニフォームを着ていたが、アンソニー・デイビスが今ほど故障がちではなかった。

 40,017得点という離れ業は生きた伝説だ。どこまでこの数字を伸ばすかも興味深い。が、やはり、もう一度ファイナルで戦うKINGが見たい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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