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WBAミドル級タイトルマッチ決定

林壮一ノンフィクションライター
Sean Michael Ham/Mayweather Promotions

 キューバからの亡命者として、2008年にトルコでプロデビューを飾り、WBAスーパーウエルター級、同ミドル級と2階級を制したエリスランディ・ララが、3月30日に160パウンドの防衛戦を迎える。会場はラスベガス、Tモバイル・アリーナ。

 ミドル級で2連勝中のララの相手は、WBAミドル級指名挑戦者であるオーストラリア人、マイケル・ゼラファ。プロキャリアのほとんどを米国のリングで戦っているララに対し、ゼラファがボクシングの本場に登場するのは今回が2度目だ。

Sean Michael Ham/Mayweather Promotions
Sean Michael Ham/Mayweather Promotions

 29勝(17KO)3敗3分のサウスポー、ララは身長175cmに対し、リーチが191cmと長距離での戦いを得意とする。彼のキャリアで最も印象的だったのは、2014年7月12日のサウル・"カネロ"・アルバレス戦だ。フロイド・メイウェザー・ジュニアに敗れたとはいえ、成長著しかったカネロを相手に粘りを見せた。1-2の判定で敗れたが、ララの株は上がった。

 そのララも、40歳。試合後の4月11日には41歳となる。2021年5月1日にトーマス・ラマンナを1ラウンドKOで下し、WBAタイトルを獲得。2022年5月28日にはゲーリー・オサリバンを8回で沈め、今のところ衰えは感じさせない。

 王者は語った。

 「プライム・ビデオとPBCが組んだ初の興行で、タイトルを防衛することを楽しみにしている。自分が現代のバーナード・ホプキンスになったような気分だ。何年も、この状態を続けられると感じている。ゼラファが今回のチャンスを辛抱強く待っていたことは分かっている。彼は飢えた挑戦者だ。

 ゼラファは、彼自身がミドル階級でワールドクラスにいて、最強の男と戦うことに気づく筈だ。最初から最後までアクション満載の素晴らしいカードが名が並ぶ。今回のイベントに参加できて光栄だ」

Sean Michael Ham/Mayweather Promotions
Sean Michael Ham/Mayweather Promotions

 オーストラリア、メルボルン出身のゼラファの戦績は31勝(19KO)4敗。長く、オーストラリアのボクシング界で期待されてきた。目下4連勝中で、3​​月30日のタイトルマッチに漕ぎ着けた。

 ゼラファもコメントした。

 「指名挑戦権を得て以来、この試合をずっと待ち望んでいた。タイトルマッチを実現させてくれた皆さんに、心から感謝している。当日、会場に来れば、世界中が私のスキルを理解するだろう。そして、オーストラリアに新たな世界チャンピオンが誕生するだろう」

撮影:筆者
撮影:筆者

 Tモバイル・アリーナでのボクシングの興行と言えば、思い浮かぶのは昨年7月末の4冠統一ウエルター級タイトルマッチだ。さて、どんなファイトになるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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