29戦全勝27KOの3階級制覇王者が改名
29戦全勝27KOで3階級を制覇中の現WBAライト級レギュラー王者、ジャーボンテイ・デービスが、イスラム教に改宗し、名前をアブドゥル・ワヒドとした。
今後、彼はアブドゥル・ワヒドとして活動することになる。
しかし、デービスの地元であるボルチモアの地元紙は、チャンピオンが法的に名前を変更した訳ではないと報じた。
この3階級制覇王者は昨年、2020年に4人の被害者を出した轢き逃げ事件に関連した件で、4件の有罪判決を受けた。デービスは6週間以上を刑務所で過ごし、7月に釈放された。当初、90日間の自宅拘留と3年間の執行猶予を言い渡されたが、自宅拘留は取り消されている。
ボクサーとしての才能には恵まれているが、私生活ではトラブル続きの野獣ーーそんな印象を受けざるを得ない。
12月24日の日曜日、デービスはメリーランド州のモスクで行われた式典で、イスラム教の信仰の証であるシャハダを行い、「イスラムのしもべ」を意味するアブドゥル・ワヒドを名乗ったのだ。
約20年間、メリーランド州のモスクでイスラムの教えについて説いているイマーム・ハッサン・アブディは言った。
「彼に会って驚いたのは、謙虚さだ。私たちが人間としてできる最高のことについて話した。信仰について1時間ほど会話し、デービスは『イスラム教を受け入れる次のステップを踏みたい』という希望を口にした」。
3階級制覇王者はタウヒード・ファースト・アカデミーを訪問してイスラム教の授業に参加し、この宗教の歴史を学んだそうだ。
29歳のデービスは自身が育ったボルチモアの西側、サンドタウン・ウィンチェスターで住宅の改築を手掛けている。また、寄付を重ね、この支援はノース・ウッドイヤー・ストリートの空き家の改修に使われた。同ブロックにある9つの不動産が、手頃な価格の住宅となる予定だという。
WBAライト級レギュラー王者は「ボルチモアを改善するには若者への投資が最も重要だと感じている」とコメントした。
イスラム教への信仰と聞いて思い浮かべるのは、伝説のボクサー、モハメド・アリだ。カシアス・クレイだった元世界ヘビー級チャンプもモハメド・アリに改名している。
デービスも少なからずアリの影響を受けているに違いない。
アブディは語る。
「私たちは人間として完璧ではない。誰もが、人生において困難を経験する。生きるためには希望を持ち、絶望しないことが大切だ。『人は倒れたとき、立ち上がるために最善を尽くすものだ』と私は彼に告げた。人生とはそういうものだ。
一夜にして成長することなど決してない。私たちが人間として完成することもないかもしれない。が、より良くなるために努力することが重要だ。彼がより良い人間になろうとしていることは、理解した」
アブドゥル・ワヒドとなったチャンピオンは、今後、どんな道を歩むのか。