Yahoo!ニュース

8戦全勝7KOの22歳がマディソン・スクエア・ガーデンのリングに上がる

林壮一ノンフィクションライター
Photos / MSG カラム・ウォルシュ

 11月9日、アイルランド人であるWBCスーパーウエルター級16位のカラム・ウォルシュが、マディソン・スクエア・ガーデンのリングに上がることになった。メイン・アリーナではなく、「ザ・シアター」が会場となるが、本人はニューヨークデビューに心を躍らせている。

 フレディ・ローチの指導を受けている22歳のサウスポーは言った。

 「すべてのファイターはマディソン・スクエア・ガーデンで戦うことを望んでいます。ニューヨークの『ボクシングの聖地』でファイトするという夢が叶いました。ファンとアイルランドの同胞のために、素晴らしいショーを披露してみせます。待ちきれません」

 ウォルシュは2023年6月9日に3回KO勝ちでWBCアメリカ・シルバー・タイトルを獲得し、8月26日に初防衛に成功。この時は4回で相手をキャンバスに沈めた。2人目のチャレンジャーはニューヨーク州ブロンクス出身で、目下13勝(9KO)1敗のイスマエル・ビジャレアル(26)。

Photos / MSG イスマエル・ビジャレアル
Photos / MSG イスマエル・ビジャレアル

 ビジャレアルは、9月20日に8連勝中だったジョン・デビッド・ロドリゲスを一方的な内容で下した。第2ラウンドに3度のダウンを奪い、2分58秒でロドリゲスをストップした。ビジャレアルが最近戦った6名の合計戦績は93勝19敗、勝率は83%である。

 ウォルシュにとってビジャレアルは、決して楽な相手ではない。

Photos / MSG
Photos / MSG

 ビジャレアルも話した。

 「私の夢は世界チャンピオンになることだ。それを達成するには立ちはだかるすべての障害を排除しなければならない。カラム・ウォルシュも例外ではない。

 自分が生まれ、これまでずっと住んできた街、ニューヨークのファンの前で戦えることを嬉しく思います。この試合に勝利すれば、おそらく2024年中に世界タイトル挑戦の扉が開かれるでしょう。11月9日、ボクシング界はイスマエル・“マエロ”・ビジャレアルが誰なのかを知ることになりますよ」

写真:ロイター/アフロ

 レディ・ローチも語った。

 「カラムのガーデン・デビューは、彼の努力と才能の証だ。プロ9戦目でメインイベンターに抜擢されるとは、マディソン・スクエア・ガーデン幹部からの熱烈な支持を意味している。ビジャレアルはカラムにとって大きな試練となるであろう。カラムにはとっては、避けられない道だな」

Photos / MSG
Photos / MSG

 登り竜同士のサバイバルマッチ。生き残るのはどちらか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事