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2階級制覇を狙う16戦全勝10KOのWBAスーパーフェザー級王者

林壮一ノンフィクションライター
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 2日後にWBAライト級レギュラー王者、ジャーボンテイ・デービスに挑む同スーパーフェザー級チャンピオンのヘクター・ルイス・ガルシアが練習を公開した。

 デービスは現地時間12月27日に逮捕されたが、試合は無事に行われそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20230102-00331060

 2016年にドミニカ代表としてリオ五輪に出場し、同年末にプロに転向したガルシアにとって、2022年は文字通り飛躍の年となった。2月26日のクリス・コルバート戦では、デビュー以来16連勝と勢いのあった相手からダウンを奪っての大差判定勝ち。その後、8月20日にはロジャー・グティエレスにもワンサイドの判定勝利を収めてWBA130パウンドの世界王座を奪取。

 さらなる躍進を誓ってラスベガスでキャンプを張って来た。目下、16戦全勝10KO。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ガルシアは言った。

 「この試合に向けたトレーニングキャンプは特別なもので、体力面とコンディショニングを上のレベルに引き上げようとやってきました。高地でのランニング、適切なスパーリング、すべてが完璧でしたね。デービス戦のために十分な準備時間があったので、試合当日はベストな状態で臨めるでしょう。トレーナーのボブ・サントスは優れた戦略家であるだけでなく、私の食事面もサポートしてくれているので、体調が良く体重も問題ありません。今のチームは、僕のキャリアの中で最高ですよ。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 デービスはパウンド・フォー・パウンドのトップであり、ボクシング界で最も重いパンチを持つ選手の一人だと思います。僕を不利だと感じる人が多いことも理解していますし、それがモチベーションになっているんです。コルバート戦も同じ状況でしたね。

 今回は濃い内容のメニューをトレーニングキャンプで積んできました。自分のスタイルはデービスを苦しめることになりますよ。僕は技術の高いサウスポーで、1月7日のリングに上がったら、そのすべてを使うつもりです。

 彼に勝てば、世界最高のファイターの一人として確固たる地位を築くことができます。自分の中では既にそのレベルだと感じていますが、この試合の後、世界が私のことを認識するでしょう。

 ただ、自分一人の力でここまで来たわけではありません。応援してくれたチームのメンバーに感謝します。この試合に出ることで私の人生は大きく変化しましたが、勝利がチーム全員に素晴らしい結果をもたらすこととなります。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ドミニカの国民のほとんどがこの試合を見る筈ですから、素晴らしいパフォーマンスで母国の人たちに誇りを感じさせたいですね。今、ドミニカではボクシングが注目されています。アルベルト・プエジョがWBAスーパーライト級タイトルを獲得しましたし、WBCミドル級暫定王者のカルロス・アダメスももう直ぐ、正規王者になるでしょう。我々は皆、家族であり、故郷の人々から受けるサポートを大切にしています。ドミニカ共和国出身のファイターが台頭してきましたから、この調子で勝ち続けたいですね」

 サウスポー同士の激突は、どんな展開になるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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