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WBAヘビー級2位は、元WBC王者を食えるか?

林壮一ノンフィクションライター
Henry DeLeon/TGB Promotions

 WBAヘビー級2位、WBC5位のロバート・ヘレニウス(38)が、現地時間15日に元WBC同級王者のディオンティ・ワイルダー(36)と対戦する。

 フィンランド人であるヘレニウスは、2020年3月、2021年10月とポーランドの人気選手、アダム・カナッキを連続KOで下して株を上げた。満を持して、自身にとってのビッグマッチを迎える。一方のワイルダーは、ここ2試合で2連続KO負け。もはや峠を過ぎた感は否めない。3連敗となると、現役続行が難しくなるのは本人も承知の上だ。

Henry DeLeon/TGB Promotions
Henry DeLeon/TGB Promotions

 が、米国、ニューヨークのバークレイズ・センターが会場ということもあり、興行師サイドはあくまでもワイルダーを主役として扱っている。

 試合3日前に行われた公開練習時のヘレニウスの言葉をご紹介しよう。

Henry DeLeon/TGB Promotions
Henry DeLeon/TGB Promotions

 「この機会を与えられて心から幸せを感じます。ボクシングを始めて25年。浮き沈みはありましたが、ここまで辿り着きました。最高の気分です。ワイルダーがタイソン・フューリーに負けたことはあんまり気にしていません。誰だって変わりますから。ベストなワイルダーと12回フルに戦うべく、トレーニングを重ねてきました。

 余計なことは言いませんよ。でも、我々はワイルダーを下す計画を立てていますから、実行に移すだけです。

Henry DeLeon/TGB Promotions
Henry DeLeon/TGB Promotions

 過去にワイルダーとスパーリングをした際は、それぞれ自分の試合を控えていましたから、それほど意識していなかったんです。もちろんいくらかの特徴は掴みました。でも、それを頼りにはしません。

 ワイルダーにパンチがあることは認めますが、自分にパワーが無いとは思いません。これまでにレイモン・ブリュースターやサムエル・ピーターなどのハードパンチを受けましたが、似たようなものじゃないかな。違うとすれば、ワイルダーにはスピードがあることでしょう」

 ヘレニウスは敵地で主役となれるか。明日、ゴングだ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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