統一スーパーミドル級タイトルを防衛したカネロ
シンコ・デ・メヨの週末に催されたメキシコ人対決。WBA/WBC/IBF/WBO4冠統一スーパーミドル級タイトルマッチは、チャンピオンのサウル・"カネロ"・アルバレスが、元WBOスーパーウエルター級王者であるハイメ・ムンギアを3-0の判定で下して、王座を防衛した。
新旧交代はならなかった。
WBA、WBC、IBF、WBOと168パウンド4大タイトルの4度目の防衛に成功したカネロは、117-110、116-111、115-112のスコアで勝者コールを受けた。毎年のようにシンコ・デ・マヨの週末にリングに上がるカネロだが、今年もメキシカン・ファンの溜飲を下げることとなった。
負け知らずの挑戦者、ムンギアも勇敢に、そして必死にリングを動き回ったが、カネロは12ラウンドを通して一貫してポイントを稼いだ。第4ラウンドには27歳のチャレンジャーの顎に右アッパーをクリーンヒットしてダウンを奪い、キャリアの差を見せ付けた。
試合後、33歳のカネロは語った。
「この勝利には大きな意味がある。ムンギアにチャンスを与えられて、大きな喜びを感じる。彼はいい男であり、偉大なチャンピオンだ。今後、素晴らしいキャリアを積むことになるだろう。全世界がメキシコ人同士の戦いに注目したことを、心から誇りに思う」
ムンギアも、若さを武器に力強く前に出た。メキシコのファンは、足を使ったボクシングよりも打ち合いを好む。この日の両者は互いに、メキシコの血を意識して戦っているかのように見えた。
第3ラウンド、挑戦者の右がカネロの顔面を捉えるシーンもあったが、パンチの殺し方、相手のいなし方には、チャンピオンに一日の長があった。
挑戦者は想起した。
「僕は力強く前進し、序盤は取ったと感じた。やはり、カネロは経験豊富なファイターだ。自分は強いと信じていたので、初めての敗北は本当にがっかりだよ。
今夜、自分が勝てなかったことは間違いない。カネロは引き出しが実に多い。スタートは良かったが、彼は多くの問題を引き起こしてしまった」
カネロは続けた。
「時間をかけて彼を料理した。私には多くの経験がある。ムンギアは強くて賢く、骨のあるファイターだ。しかし、私は12ラウンドをフルに使って、勝った。本当に自分の能力を駆使した。そういう自分が誇らしい。
ムンギアは強い。でも、ちょっと動きが遅い。だから、あらゆるパンチが見えた。自分が一番だと証明できたな」
CompuBox によると、ムンギアは663-536とカネロより多くのパンチを放った。が、ヒット数(234対170)と命中率(44%対26%)で優位だったのは、4冠王者であった。
特に最終の3ラウンドで、チャンピオンらしさを十二分に見せ付けたカネロは、ボクシング史における自分の立ち位置と今後ついても触れた。
「過去に素晴らしいメキシコ人ファイターがたくさんいたことは知っているが、今のところ私がベストだ。
まずは休んで家族との時間を楽しむつもりだ。私はみんなと戦ってきたし、やりたいことは何でもできる。金になるならいつだってリングに上がるよ」
今回の勝利は、カネロの評価を上げるだろう。井上尚弥とのパウンド・フォー・パウンド対決も見物かもしれない。