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意地を見せるか? 37歳の元WBCスーパーミドル級王者

林壮一ノンフィクションライター
Gabe Gomez/TGB Promotions

 WBCスーパーミドル級タイトルを2度獲得したアンソニー・ディレル(37)が、10月15日のケイラブ・プラント(30)選に向け、フロリダ州デルレイビーチでキャンプを張っている。

 昨日はラスベガスで調整中のプラントの言葉をお伝えしたが、本日はディレルをご紹介したい。

Gabe Gomez/TGB Promotions
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 ディレルは言った。

 「ケイラブ・プラントが何を語ろうが関係ない。自分の能力を駆使して勝ちにいく。今回は何よりも自分のために勝利したい。俺自身の存在を証明するために、今、ここにいるんだ。誰に何を言われても気にならないね」

 現在、フロリダ州はハリケーン・イアンの影響で大きな被害に遭っているが、元チャンプは被災者たちへの気遣いを見せながらキャンプで汗を流している。

 「ラッキーなことに我々が滞在しているエリアはハリケーンに見舞われなかったが、誰もが安全に、そして健康に過ごせることを心から祈るよ」

Gabe Gomez/TGB Promotions
Gabe Gomez/TGB Promotions

 長くコンビを組むトレーナーのシュガーヒル・スチュワードとの関係も良好だと言い切る。彼らは共に、ミシガン州出身だ。

 「トレーニングキャンプは順調に運んでいる。コンディションはいい。ケイラブ・プラントをいかに倒すかを考えたメニューだ。抜かりなく対策を立てている。万全を期してリングに上がるさ。

 あまり深くプラントについて考えちゃいないんだ。俺がヤツを目にしたのは、カネロとの統一戦だけだよ。どんな選手か、何を持っているかは理解した」

Gabe Gomez/TGB Promotions
Gabe Gomez/TGB Promotions

 会場となるニューヨーク、ブルックリンのバークレイ・センターのリングにディレルが上がるのは、今回が2度目。前回はWBCスーパーミドル級タイトルの初挑戦で、ダウンを奪いながらもドローに終わっている。2013年12月7日のことだ。一昔前の感がある。

 「ブルックリンは、いつ訪れてもいい街だと感じる。ただ今は、一人のファイターとして、試合に集中するのみだね。どんな展開になっても、それを見詰め受け入れ、戦うだけさ。試合をコントロールすることが求められるし、必ずそうしてみせるよ」

 劣勢が囁かれるディレルだが、ベテランの意地を見せられるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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