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スーパーライト級無敗対決はドロー

林壮一ノンフィクションライター
撮影 筆者 両者の身長差は10cm。体格的にはアポンテにアドバンテージがあった。

 9月17日の前座で行われたスーパーライト級8回戦は、メキシコvs.プエルリコとなった。8戦全勝3KOのフェルナンド・モリナと、6戦全勝2KOのアーロン・アポンテのファイトは、初回からスピーディーな打ち合いが見られた。左の刺し合いは互角。

 第2ラウンド、距離感を掴んだアポンテが飛び込みながらの左フックでダウンを奪う。

 身長、リーチで優るプエルトリカンは、左フックにも鋭さを見せた。

撮影 筆者
撮影 筆者

 4回モリナの放った右が起死回生の一発になるかに見えた。アポンテはあわやダウンかというほどバランスを崩す。が、辛うじて凌ぐ。5ラウンド、右アッパーで確実にダメージを与えたモリナは、流れを取り戻す。同ラウンド残り20秒にもメキシカンは右アッパーでダウンを奪った。

 6回以降、アポンテは逃げの動きが目立つようになり、メキシカンがリングをコントロールした。7回にはモリナの左グローブの手首部分が裂け、テーピングを幾重にも巻いた応急処置で試合を続ける。フラストレーションを感じたのか、メキシカンの動きは雑になった。

撮影 筆者
撮影 筆者

 私の目にはモリナの勝利と映ったが、76-74、74-76、75-75と三者三様のドローに終わった。

 無敗対決をカネロ×GGG3の前座に持ってくる点は、流石DAZNだと感じた。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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